かんらん岩 peridotite

かんらん岩(peridotite, ペリドタイト)は、60%以上が苦土かんらん石のみからなり、少量の輝石などを伴う深成岩。 地球表面の地殻ではそれほど多産しないが、地球のマントルを構成する主要な岩石であり、地球内では最も一般的でありふれた岩石であると言える。
かんらん岩-橄欖岩-ペリドタイト
かんらん岩(ハルツバージャイト)

かんらん岩の概要と分類

かんらん岩は、SiO2が45wt%以下の超塩基性岩の中でも、かんらん石の体積比率が60%を超える岩石と定義される。 かんらん石の他の鉱物は頑火輝石(Enstatite、エンスタタイト)などの直方輝石(斜方輝石, Orthopyroxene)、透輝石(Diopside、ディオプサイド)などの単斜輝石(Clinopyroxene)が主要な構成鉱物である。 この他に、スピネルクロム鉄鉱クロム苦土鉱磁鉄鉱などのスピネル族酸化鉱物などが少量伴われる。

かんらん岩は、かんらん石・直方輝石(斜方輝石)・単斜輝石の含有比率から、以下の4種類に分類される(下の三角図参照)。

通常、地殻やマントルで見られるかんらん岩の組成は下図の緑色部分に相当する。地表付近で見られるかんらん岩としては、ハルツバージャイトが最も多く、レールゾライト、ダナイトと続く。ウェーライトは稀である。

超塩基性岩の分類/かんらん岩‐輝岩の分類/ダナイト、ハルツバージャイト、レールゾライト

かんらん岩の性質

かんらん岩の平均的な比重は3.0~3.4 g/ccと他の岩石よりも高い。

地表付近や地殻内の水に富んだ環境では、かんらん岩のかんらん石や輝石は水と反応して蛇紋岩化する。

含水することでかんらん岩の融点は大きく下がり、部分溶融しマグマが発生する。 かんらん岩が部分溶融してできるマグマの組成は通常は玄武岩質である。水に飽和し圧力の高い環境で部分溶融すると、高マグネシウム安山岩質のマグマが生じる。

かんらん岩の産出

かんらん岩はマントルの石であるため、地表で見られるようになるには、マントルからの火山岩噴出に巻き込まれた捕獲岩になるか、 またはプレート境界での大規模な構造活動によって、マントルを挟み込んで絞り出すような運動が必要がある。

マントル捕獲岩

マントルのかんらん岩を捕獲岩として含んで噴出する火山岩は、ほとんどの場合玄武岩質である。 マントル捕獲岩を伴う玄武岩質火山活動は、ハワイやアリゾナのようなプルーム起源のものと、 日本の秋田県一ノ目潟、佐賀県肥前町のような背弧拡大・リフト活動に伴うものとが挙げられる。

マントル捕獲岩 かんらん岩

オフィオライト

海洋プレートの一連の層序が地表に付加した地質体をオフィオライトという。 オフィオライトの上部は玄武岩はんれい岩などの苦鉄質な岩石からなり、下部には海洋プレートのマントル部分を構成していたかんらん岩が見られる。

かんらん岩の風化・変質

野外の風化したかんらん岩の露頭は赤茶色になっていることが多い。これはかんらん岩中のカンラン石などに含まれている鉄から非晶質の水酸化鉄(III)などを生じているためである[x]。

関連項目

参考文献

planetscope岩石鉱物詳解図鑑

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