ボニナイト(boninite)は
安山岩の一種で、マグネシウム含有量の高い安山岩(高マグネシア安山岩)の中でも特に、かんらん石、頑火輝石(古銅輝石)、単斜頑火輝石、普通輝石、クロムスピネルから成り、斜長石を含まない、ガラス質の
火山岩である。
化学組成は、安山岩質な組成(SiO
2>53wt%)を持つものの、MgO(>8wt%)、Ni、Crに富み、液相濃集元素に極めて乏しいという特徴を持つ(特にHFSE、TiO
2<0.5wt%)。
無人岩(ぶにんがん)とも呼ばれる。
通常の安山岩(カルクアルカリ系列)は、マントルの岩石を部分溶融させて直接つくることはできず、マントルの
かんらん岩の部分溶融で形成される玄武岩と、
大陸地殻を構成する花崗岩類が溶けてできる花崗岩質マグマの混合で形成される。
一方で、ボニナイトのような高マグネシア安山岩は、マントルのかんらん岩のなかでも特にハルツバージャイトが、多量に水を含んだ上で1400℃程度の高温で溶融してできるとされている。
ボニナイトのような高マグネシア安山岩は、プレート沈み込み開始直後の海洋性島弧において形成されることが多い。