輝石 pyroxene

輝石(キセキ, pyroxene, パイロキシン)はAB[SiO3]2という一般式からなる直方晶系または単斜晶系のイノ珪酸塩鉱物。AまたはBにはマグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、ナトリウム(Na)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの元素が入る。 造岩鉱物のうち有色鉱物として、広く様々な種類の火成岩、特に苦鉄質の火成岩によく含まれる。 そのほか、輝石は変成岩にもよく含まれる。
普通輝石 augtite オージャイト パイロキシン 造岩鉱物の1つである輝石は有色鉱物
普通輝石。画像幅約5cm。

輝石グループの鉱物

以下に代表的な輝石グループの鉱物を一覧の形で示す。

   直方輝石(olthopyroxene, OPX)
    頑火輝石(enstatite、エンスタタイト):(Mg, Fe)2Si2O6、直方
    鉄珪輝石(ferrosilite、フェロシライト):(Fe, Mg)2Si2O6、直方
   単斜輝石(clinopyroxene, CPX)
    透輝石(diopside、ディオプサイド):CaMgSi2O6、単斜
    灰鉄輝石(hedenbergite、ヘデンバージャイト):CaFeSi2O6、単斜
    ヨハンセン輝石(johannsenite、ヨハンセナイト):CaMnSi2O6、単斜
    普通輝石(augite、オージャイト):(Ca, Mg, Fe)2Si2O6、単斜
    オンファス輝石(omphacite、オンファサイト):(Ca, Na)(Mg, Fe2+, Al, Fe3+)Si2O6、単斜
    ひすい輝石(翡翠輝石、jadeite、ジェイダイト、硬玉):NaAlSi2O6、単斜
    エジリン輝石(aegirine、エジリン、錐輝石、キリキセキ):NaFe3+Si2O6、単斜
    コスモクロア輝石(kosmochlor、コスモクロア、宇宙緑輝石):NaCr3+Si2O6、単斜
    リシア輝石(spodumene、リチア輝石, スポジュメン):LiAlSi2O6、単斜


主な輝石グループの鉱物の関係を簡略的に示した図。最も単純な組成の頑火輝石からたどっていくとわかりやすい。

輝石の産業的利用

輝石のなかで地下資源として鉱業的な採掘の対象になるのは、リシア輝石(spodumene、リチア輝石, スポジュメン)のみである。リシア輝石はリチウムの鉱石となる。

一方で、宝石として用いられる鉱物は多く、特にヒスイ輝石(翡翠輝石、jadeite、ジェイダイト、硬玉)は宝石として古来から用いられている他、オンファス輝石(omphacite、オンファサイト)リシア輝石(spodumene、リチア輝石, スポジュメン)透輝石(diopside、ディオプサイド)頑火輝石(enstatite、エンスタタイト)などがしばしば研磨して宝飾品に用いられる。

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関連項目

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