以下に代表的な輝石グループの鉱物を一覧の形で示す。
直方輝石(olthopyroxene, OPX)
頑火輝石(enstatite、エンスタタイト):(Mg, Fe)2Si2O6、直方
鉄珪輝石(ferrosilite、フェロシライト):(Fe, Mg)2Si2O6、直方
単斜輝石(clinopyroxene, CPX)
透輝石(diopside、ディオプサイド):CaMgSi2O6、単斜
灰鉄輝石(hedenbergite、ヘデンバージャイト):CaFeSi2O6、単斜
ヨハンセン輝石(johannsenite、ヨハンセナイト):CaMnSi2O6、単斜
普通輝石(augite、オージャイト):(Ca, Mg, Fe)2Si2O6、単斜
オンファス輝石(omphacite、オンファサイト):(Ca, Na)(Mg, Fe2+, Al, Fe3+)Si2O6、単斜
ひすい輝石(翡翠輝石、jadeite、ジェイダイト、硬玉):NaAlSi2O6、単斜
エジリン輝石(aegirine、エジリン、錐輝石、キリキセキ):NaFe3+Si2O6、単斜
コスモクロア輝石(kosmochlor、コスモクロア、宇宙緑輝石):NaCr3+Si2O6、単斜
リシア輝石(spodumene、リチア輝石, スポジュメン):LiAlSi2O6、単斜
主な輝石グループの鉱物の関係を簡略的に示した図。最も単純な組成の頑火輝石からたどっていくとわかりやすい。
輝石のなかで地下資源として鉱業的な採掘の対象になるのは、リシア輝石(spodumene、リチア輝石, スポジュメン)のみである。リシア輝石はリチウムの鉱石となる。
一方で、宝石として用いられる鉱物は多く、特にヒスイ輝石(翡翠輝石、jadeite、ジェイダイト、硬玉)は宝石として古来から用いられている他、オンファス輝石(omphacite、オンファサイト)、リシア輝石(spodumene、リチア輝石, スポジュメン)、透輝石(diopside、ディオプサイド)、頑火輝石(enstatite、エンスタタイト)などがしばしば研磨して宝飾品に用いられる。
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