苦土橄欖石 forsterite
苦土橄欖石(クドカンランセキ, forsterite, フォルステライト)はMg2[SiO4]という化学組成の単斜晶系の鉱物で、ネソ珪酸塩鉱物に属する。
苦土橄欖石は同じかんらん石グループの鉄橄欖石(テツカンランセキ, Fayarite, ファヤライト)との固溶体で産することが普通で、超苦鉄質岩、苦鉄質岩を構成する主要な造岩鉱物である。単にかんらん石(ペリドット)という場合は通常この固溶体を指す。
地球の上部マントル(深さ約440 km付近まで)の大部分は苦土橄欖石からなるため、地球上に豊富に存在する鉱物であるといえる。
苦土橄欖石は同じかんらん石グループの鉄橄欖石(テツカンランセキ, Fayarite, ファヤライト)との固溶体で産することが普通で、超苦鉄質岩、苦鉄質岩を構成する主要な造岩鉱物である。単にかんらん石(ペリドット)という場合は通常この固溶体を指す。
地球の上部マントル(深さ約440 km付近まで)の大部分は苦土橄欖石からなるため、地球上に豊富に存在する鉱物であるといえる。
- 苦土橄欖石の特徴
- 苦土橄欖石の産出
- 産業的利用
- 関連項目
苦土橄欖石の特徴
純粋な苦土橄欖石は無色であるが、鉄を含むことによって黄緑色~黄褐色を帯びる。
苦土橄欖石のへき開は{010}や{100}方向に不完全ながら見られるが、割れ口は不規則であることが多い。
純粋な苦土橄欖石の比重は3.2であるが、より比重の重い鉄橄欖石(比重4.4)との固溶体をなしているため、普通に見られるカンラン石(Mg:Fe = 95:5 ~ 85:15)では比重は3.4くらいであることが多い。
苦土橄欖石の産出
苦土橄欖石は地球の上部マントルを構成する橄欖岩の主要な鉱物である他、地表で見られる超苦鉄質岩や苦鉄質岩中にも広く含まれる造岩鉱物である。
苦土橄欖石は地表付近の環境では風化や変質によって水と反応して蛇紋石に変化する。
逆に、蛇紋石や苦灰石を多量に含む岩石(蛇紋岩や苦灰岩)が変成作用を受けると苦土橄欖石を含む変成岩が形成される。
苦土橄欖石は隕石のなかにもよく見られる鉱物で、他の岩石惑星のマントルでも一般的な鉱物であると考えられている。
蛇紋岩が変成作用を受けて生じた苦土かんらん石。画像幅約2cm。福島県石川町川井。
苦灰岩が変成作用を受けて生じた苦土橄欖石。画像幅約4cm。岐阜県神岡町。
橄欖石の産業的利用
苦土橄欖石は黄緑色で透明の美しい大粒の結晶で産する事があり、ペリドット(peridot)という呼称で宝石に利用される。
宝石質な苦土橄欖石の結晶(ペリドットの原石)。画像幅約3cm。パキスタン。