鉄橄欖石(テツカンランセキ, fayalite, ファヤライト)はFe
2[SiO
4]という形式の化学式で表せる単斜晶系の鉱物で、
ネソ珪酸塩鉱物、
橄欖石グループに属する。
色は黒色、黒褐色、黄褐色など。鉄の含有量が多いほど色が濃い。
橄欖石グループの鉱物と固溶体を成すが、特にFeをMgで置き換えた
苦土橄欖石(クドカンランセキ, Forsterite, フォルステライト)との間には連続的に固溶体が存在する。
しかし、鉄橄欖石の産出は、苦土橄欖石に比べて遥かに稀である。純粋な鉄橄欖石は濃褐色で、マグネシウム含有量が増えるに従い色が薄くなる。
鉄に富む特殊な
火成岩や
変成岩に産する他、
流紋岩や花崗岩質
ペグマタイトの空隙に生じる。
後者のような産状の場合、数ミリから数センチ程度まで成長した自形結晶が見られることも多い。
黒色塊状の鉄橄欖石
Loc. Babson Farm Quarry, Rockport Essex Co, Massachusetts, USA
標本幅約15 cm