雲母 mica

雲母(うんも, mica, マイカ)とは、フィロ珪酸塩鉱物のグループの1つである。 雲母類の化学組成は、アルミノ珪酸塩鉱物(アルミニウムを結晶構造の骨格に持つ珪酸塩鉱物)という点、などの揮発性成分に富む点、などが共通している。 雲母類の結晶は、共通してへき開が1方向に顕著で、薄く剥がれやすい特徴を持つ。 鉄雲母や金雲母(およびそれらの固溶体の慣用的な呼称である黒雲母)、そして白雲母は地殻の岩石に広く見られる。
雲母類は結晶構造および化学組成から複八面体(Dioctahedral)と三八面体(Trictahedral)の2つに大別できる。 一般化した化学式は、複八面体はA(M1+M2)2T4O10(OH, F, Cl)2、三八面体はA(M1+M2)3T4O10(OH, F, Cl)2とそぞれ書き表せる。
白雲母(しろうんも, muscovite, マスコバイト) Loc. 北朝鮮 威鏡, 画像幅約15cm
雲母の1種である白雲母

主な雲母グループの鉱物

・複八面体(Dioctahedral)
　　白雲母（muscovite）：KAl2(AlSi3)O10(OH)2、単斜
　　　　　絹雲母（sericite、セリサイト）：微細な白雲母
　　ソーダ雲母（paragonite）：NaAl2(AlSi3)O10(OH)2、単斜
・三八面体
　　金雲母（phlogopite）：KMg3AlSi3O10(OH, F)2、単斜
　　鉄雲母（annite）：KFe3AlSi3O10(OH, F)2、単斜
　　　 黒雲母（biotite）：金雲母と鉄雲母の中間
　　トリリシオ雲母（trilithionite）：KLi1.5Al1.5AlSi3O10F2、単斜
　　ポリリシオ雲母（polylithionite）：KLi2AlSi4O10F2、単斜
　　　リチア雲母（lepidolite、鱗雲母、紅雲母）：トリリシオ雲母とポリリシオ雲母の系列
　　　チンワルド雲母（zinnwaldite）：シデロフィライトとポリリシオ雲母の系列

・脆雲母（brittle mica）グループ
　　　真珠雲母（margarite）：CaAl2Al2Si2O10(OH)2、単斜
　　　interlayer-deficient雲母
　　　　イライト（illite）
　　　　海緑石（glauconite）：(K, Na, Ca)(Fe3+, Al, Mg, Fe)2(Si, Al)4O10(OH)2、単斜

関連項目

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