流紋岩 rhyolite
- 流紋岩の概要
- 成因・産出地
- 流紋岩質マグマの噴火
- 関連項目
流紋岩の概要
流紋岩は「SiO2が66 wt%以上で、無色鉱物の組合せは石英が20vol%以上、アルカリ長石が35-90vol%の火山岩」と定義される。 流紋岩の組成は深成岩の花崗岩と対応している。
流紋岩の主な構成鉱物は、石英、長石(カリ長石・曹長石)などの無色鉱物を主とし、
有色鉱物である黒雲母や角閃石類、まれに輝石類や柘榴石、大隅石、磁鉄鉱などを伴う。
流紋岩中の石英は高温石英の仮晶になっているものがしばしば見られる。
また、流紋岩はクリストバライト、トリディバイトなどのシリカの高温多形鉱物を含むことも多い。
この他、鉱物ではなくガラス質部分を多く含むものも少なくない。大半がガラス質からなる場合、黒曜岩と呼ばれる。
流紋岩の外見は白色から灰白色であることが多いが、噴出時の冷却条件、噴出前後の熱水やガスによる変質、また結晶化度によって見た目の色は様々に変化する。
成因と産出地
流紋岩が見られるのは、主に背弧海盆やリフト帯、一部のホットスポットなどの伸張場である。このような場所では玄武岩と流紋岩がペアになって噴出し、その中間の組成である安山岩は見られないことが多く、「バイモーダル火成活動」と呼ばれる。
一方で、沈み込み帯での流紋岩の産出、および流紋岩質マグマの火山活動は稀で、通常はデイサイトである。
世界では、北米ロッキー山脈(イエローストーンを含む)、ニュージーランドのタウポ火山帯、アイスランドなどにおいて、バイモーダル火成活動による流紋岩の噴出が特徴的に見られる。 日本の場合、伊豆諸島・伊豆半島や別府島原地溝帯は沈み込み帯火成活動に加えて背弧海盆拡大の要素を含んでいるため、流紋岩の噴出が見られる。 また、かつての背弧海盆拡大の痕跡として、日本海沿岸の各地に流紋岩が見られる。
流紋岩質マグマの噴火
流紋岩質のマグマは温度が800℃程度と玄武岩質マグマや安山岩質マグマと比べて低く、粘性が高いため、溶岩ドームのような特徴的な火山体を形成し、しばしば爆発的な噴火を引き起こす。
関連項目