磁鉄鉱 magnetite
磁鉄鉱(じてっこう, magnetite マグネタイト, ジテッ鉱)は鉄と酸素からなる四酸化三鉄(Fe3O4)の化学組成を持つ立方晶系の鉱物。
黒色不透明で金属光沢があり、強い磁性を持つ。自形結晶は正八面体や菱形十二面体などの形になる。
火成岩、堆積岩、変成岩の様々な岩石に広く含まれる。砂鉄の大部分は磁鉄鉱である。
- 磁鉄鉱の特徴
- 磁鉄鉱の産出
- 磁鉄鉱の産業的利用
- 関連項目
磁鉄鉱の特徴
磁鉄鉱はスピネル型結晶構造をもち、スピネルサブグループに属する。鉄の2価イオンと3価イオンを両方含んだ鉱物で、価数を含めた化学式ではFe2+Fe3+2O4と表される。
磁鉄鉱は強磁性を持ち、磁石に強く引き寄せられる。通常、磁鉄鉱は地球磁場の影響で磁化しているが、落雷などの影響で強く磁化をもつと"天然磁石"として鉄製品を引きつけるほどの磁場をもつことがある。
天然磁石となっている磁鉄鉱。長野県大日鉱山。ホッチキスの芯をひきつけている。
磁鉄鉱の産出
磁鉄鉱は様々な種類の火成岩、堆積岩、変成岩に微量ながら広く含まれている。 岩石が磁鉄鉱を含むかは鉄の含有量とともに、その岩石が形成または変成された時の酸化状態による。 磁鉄鉱の鉄は2価のイオンと3価のイオンの両方を含んでおり比較的還元的状態にあり、より酸化的な環境では赤鉄鉱(hematite)やチタン鉄鉱が形成される。
一般的な岩石の中で磁鉄鉱を多量に含むものの代表としては蛇紋岩が挙げられる。これはカンラン石が蛇紋石化する際に、橄欖石中の鉄の多くが蛇紋石に含まれずに磁鉄鉱になるためである。
磁鉄鉱の産業的利用
磁鉄鉱は鉄鉱石として用いられる。