鉄礬柘榴石の色は黒色、濃赤色、赤褐色、赤色などである。
鉄礬柘榴石の結晶は特徴的な菱形24面体であることが多く、しばしば結晶面には条線が発達している。
鉄礬柘榴石は柘榴石の中でも最も普通に見られる種類の1つである。 各種の柘榴石と固溶体を成すが、特に苦礬柘榴石、満礬柘榴石との間には連続的に固溶体が存在する。 鉄礬柘榴石、苦礬柘榴石、満礬柘榴石とをまとめてパイルスパイト(pyrspite)という野外名(俗称)が与えられる事がある。 これら3種類を肉眼的に見分けることは、端成分に近いものは別として、一般に難しい。1つの結晶粒の中でも内側と外側で累帯構造を持っていることも多い。
鉄礬柘榴石を含む岩石としては、結晶片岩、片麻岩(柘榴石片麻岩)、エクロジャイトなどの変成岩や、
花崗岩質ペグマタイトなどの深成岩、
さらに一部の流紋岩やデイザイト、安山岩などの珪長質から中間質の火山岩などが挙げられる。
また、鉄礬柘榴石は比重が大きいため、しばしば漂砂鉱床を成すことがある。
鉄礬柘榴石は赤色で透明度の高い美しいものは宝石として利用される。また砂状の鉄礬柘榴石を研磨剤として研磨粉や紙やすりの材料にも利用されることがあるが、現在は合成品が主流となり天然のアルマンディンを用いることはほとんどない。
宝飾品に利用されるアルマンディンガーネット(鉄礬柘榴石)の例。