鉄礬柘榴石 almandine

鉄礬柘榴石(てつばんざくろいし, almandine マルマンディン)はFe3Al2[SiO4]3という組成を持つ柘榴石の一種。 立方晶系、硬度7~7.5、比重4.31。 主に鉄、アルミニウム、珪素、酸素からなり、鉄の一部はマグネシウム、マンガンなどと置き換わる。
鉄礬柘榴石(almandine)てつばんざくろいし(アルマンディン) 結晶片岩中のアルマンディンガーネット(鉄礬柘榴石)の結晶
鉄礬柘榴石(アルマンディン)の結晶。画像幅約4cm

鉄礬柘榴石の特徴

鉄礬柘榴石の色は黒色、濃赤色、赤褐色、赤色などである。 鉄礬柘榴石の結晶は特徴的な菱形24面体であることが多く、しばしば結晶面には条線が発達している。

鉄礬柘榴石は柘榴石の中でも最も普通に見られる種類の1つである。 各種の柘榴石と固溶体を成すが、特に苦礬柘榴石満礬柘榴石との間には連続的に固溶体が存在する。 鉄礬柘榴石、苦礬柘榴石満礬柘榴石とをまとめてパイルスパイト(pyrspite)という野外名(俗称)が与えられる事がある。 これら3種類を肉眼的に見分けることは、端成分に近いものは別として、一般に難しい。1つの結晶粒の中でも内側と外側で累帯構造を持っていることも多い。

鉄礬柘榴石の産出

鉄礬柘榴石を含む岩石としては、結晶片岩片麻岩(柘榴石片麻岩)、エクロジャイトなどの変成岩や、 花崗岩質ペグマタイトなどの深成岩、 さらに一部の流紋岩デイザイト安山岩などの珪長質から中間質の火山岩などが挙げられる。
また、鉄礬柘榴石は比重が大きいため、しばしば漂砂鉱床を成すことがある。

鉄礬柘榴石の産業的利用

鉄礬柘榴石は赤色で透明度の高い美しいものは宝石として利用される。また砂状の鉄礬柘榴石を研磨剤として研磨粉や紙やすりの材料にも利用されることがあるが、現在は合成品が主流となり天然のアルマンディンを用いることはほとんどない。


宝飾品に利用されるアルマンディンガーネット(鉄礬柘榴石)の例。

関連項目

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