紅柱石(コウチュウセキ, andalusite, アンダルサイト)はAl
2[O|SiO
4] (または単純化してAl
2SiO
5とも表記する)という組成を持つ直方晶系の
ネソ珪酸塩鉱物の1種。アルミニウム、ケイ素、酸素からなる。
紅柱石の色は和名の通り紅色、赤褐色、淡赤色のものもあるが、無色や灰色、黄色などや、鉄やマンガンを含んで緑~灰深緑色などのものがある。特にマンガンを含むものはヴィリディンviridineと呼称され、鮮緑色を呈することがある。
へき開は良好からやや完全で、柱状、板状、針状の結晶あるいはそれらの放射状集合で産する。硬度6.5-7.5, 比重3.15。
紅柱石の化学組成はAl
2O
3とSiO
2を足し合わせた組成にあたり、アルミニウムに富む
泥岩などの
堆積岩を原岩とする
変成岩中に生じるものや、熱水鉱床でできるものなどがある。
同じ組成で違う結晶構造を持つ鉱物(同質異像、多形)として
藍晶石、
珪線石があり、それらの安定領域の境界は地殻内の温度・圧力条件の範囲にあるため、藍晶石を含めてこの3種の鉱物変成岩の変成度を示す指標となる鉱物として重要である。
紅柱石は高温低圧の条件でよく形成されるため、泥岩が変成してできた
ホルンフェルス、
結晶片岩や
片麻岩(
準片麻岩)、あるいはその中に発達した
石英脈やペグマタイト脈に
石英、
白雲母、
黒雲母などを伴って産する。