珪線石 silimanite

珪線石(ケイセンセキ, silimanite, シリマナイト)はAl2[O|SiO4]という組成を持つ直方晶系のネソ珪酸塩鉱物の1種。アルミニウム、ケイ素、酸素からなる。 珪線石の色は無色や灰色、黄色、褐色など。柱状や針状の結晶、あるいはそれらの集合体で産することが多い。光沢は柱状のものではガラス光沢~亜ダイヤモンド光沢、繊維状のものでは絹糸光沢で、やや強い光沢を持つ。ただし、数cmサイズの標本では変質して光沢が鈍くなっているものも多い。
へき開は完全。硬度6.5-7.5, 比重が3.24と他のアルミニウム珪酸塩の造岩鉱物と比較してやや高いことは特徴である。
--> 珪線石の化学組成はAl2O3とSiO2を足し合わせた組成にあたり、アルミニウムに富む泥岩などの堆積岩を源岩とする変成岩中に生じるものや、熱水鉱床でできるものなどがある。
同じ組成で違う結晶構造を持つ鉱物(同質異像、多形)として藍晶石紅柱石があり、それらの安定領域の境界は地殻内の温度・圧力条件の範囲にあるため、藍晶石を含めてこの3種の鉱物変成岩の変成度を示す指標となる鉱物として重要である。
珪線石(andalustite)の結晶 クォーツァイト(変成砂岩)中から分離したもの
珪線石
ブラジルのクォーツァイト(変成砂岩)中から分離したもの

関連項目

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