斜長岩 anorthosite
斜長岩(しゃちょうがん、anorthosite、アノーソサイト)はほぼ斜長石のみからなる深成岩。
斜長岩は90%以上の体積を斜長石が占め、若干の輝石・角閃石・かんらん石などを伴う珪長質な深成岩。
主に無水状態に近い玄武岩質マグマだまりの結晶分化作用によってできる。月の高地の白くみえる部分は斜長岩からなる。
月の斜長岩(アポロサンプル) スミソニアン博物館展示より
- 斜長岩の概要
- 成因と産出地
- 産業的利用
- 関連項目
斜長岩の概要
アノーソサイトAnorthositeはアノーサイトAnorthite、すなわち灰長石からなる岩石ということからこの名前がついているため、本来なら日本語の訳も灰長岩(かいちょうがん)であり、事実そのように記されることも多い。 しかし、後述の通り日本を始めとする顕生代の地質体では灰長石単成分に近いものよりも曹長石との中間的な組成に近いものが見られるため、斜長岩という語をアノーソサイトAnorthositeの訳語として用いる方が一般的のようである。
成因と産出地
太古代の斜長岩は、主に約30億年前以降の太古代中期から後期にかけて見られる。
原生代の斜長岩
顕生代の斜長岩は主にオフィオライトの中に見られ、斑れい岩 島弧火山活動
産業的利用
斜長岩のなかでも均質で見た目の美しいものは石材や装飾品に用いられることがある。