2019 愛媛県今治市波方町馬刀潟ペグマタイト
Pegmatite in Mategata, Hagata Town, Imabari City, Shikoku, Japan
訪問日: 2019/08/07
巡検の概要
愛媛県の瀬戸内海側の多くは領家帯の白亜紀花崗岩類からなり、その中には花崗岩質ペグマタイトの鉱物産地がいくつかあります。
愛媛県今治市波方町馬刀潟はそういったペグマタイト鉱物産地の1つで、長島乙吉・弘三『日本希元素鉱物』(1960年)や宮下三千年・皆川鉄雄『鉱物採集の旅 四国・瀬戸内編』(1975年)などの書籍でも取り上げられています。
馬刀潟では放射状のジルコンや褐簾石などの重鉱物が採集できるという期待で行ったのですが、石英や長石の塊がころがっているばかりでまったくのスカでした。
その産地の様子を紹介します。
フィールドの様子
馬刀潟地域の海岸の様子。小さな漁港になっている。
気持ちの良い快晴。気温35℃。突き刺す日差しが痛いくらいでした。
馬刀潟のペグマタイト産地に建てられている「波方石採掘場」跡地の古い看板。
「波方石採掘場」跡地の古い看板アップ。
「波方石採掘場」跡地の古い看板アップその2。ヤブに覆われている…
看板の真裏にはかつての採掘場であった場所が池のようになっています。
池の周りはいちおうペグマタイト質な土砂があるので、これをほじって海でパンニングしてみるも何も出せませんでした。
馬刀潟の産地目の前は、パンニングするにはちょうどよい海岸。海中にもペグマタイト質の転石が多数転がっており、海水浴みたいになりながら石を拾い集めたものの、重鉱物の入っていそうな石は少なかった。
ペグマタイト産地から東へ、集落の反対側の海岸に行くと、領家帯の花崗岩に挟まれて産する斑れい岩の岩体が幅200m程度にわたって見られる。
真っ黒い斑れい岩。広く見ると、黒っぽい斑れい岩(優黒質斑れい岩、melanocratic gabbro、メラノクラティックガブロ)と白っぽい斑れい岩(優白質斑れい岩、leucocratic gabbro、リューコクラティックガブロ)がなんとなく互層している。
角閃石の巨大な結晶を含む斑れい岩質ペグマタイトになっている部分も多数見られる。角閃石の鉱物標本として採集するか迷ったけど、割りにくい感じだったのと、海岸が暑すぎたので諦めた。