フォスフォフィライト phosphophyllite

フォスフォフィライト(phosphophyllite, モナザイト)はZn2Fe2+(PO4)PO2・4H2Oという組成を持ち単斜晶系のリン酸塩鉱物の1種。
phosphophyllite フォスフォフィライト  Loc. Hagendorf, Waidhaus, Bavaria, Germany
フォスフォフィライト(phosphophyllite) 画像幅約7cm Loc. Hagendorf, Waidhaus, Bavaria, Germany

フォスフォフィライトの特徴

フォスフォフィライトの硬度は3-3.5、比重は3.05-3.14である。へき開は {100}方向に完全、 {010}および {102}方向に顕著である。しばしば双晶をなす。

フォスフォフィライトの色は、無色、淡緑色、淡黄緑色、淡青緑色、青緑色、青色などがある。

フォスフォフィライトの産出

フォスフォフィライトはリンに富んだペグマタイトや熱水鉱床に産する。共存鉱物は石英藍鉄鉱菱鉄鉱黄銅鉱などがある。

フォスフォフィライトのタイプロカリティ(原産地、発見地)はドイツのペグマタイトである(Hagendorf North Pegmatite (Meixner Feldspar Pit), Hagendorf, Waidhaus, Neustadt an der Waldnaab District, Upper Palatinate, Bavaria, Germany)。
ボリビアのポトシにあるセロ・リコ銀山からは鮮やかな青緑色のフォスフォフィライトが産し、本鉱物の知名度向上に貢献したがたが、1950年代末には採掘が終わってしまった。 この他、オーストラリア、アメリカ、ザンビアなどで産出している。

フォスフォフィライトの産業的利用

フォスフォフィライトはまとまった量で産出することはないため、亜鉛などの金属資源として採掘されることはほとんどないと言える。

フォスフォフィライトの硬度は3-3.5しかなくへき開も発達しているため、色は美しいものの研磨して宝石として利用することは大変難しく一般的ではない。日本ではフォスフォフィライトが漫画『宝石の国』の主人公のモデルとされたことで一躍有名になり、原石の鉱物標本やルースなどの研磨品もかなり普及しつつあるが、これは特殊な事情と言えるだろう。

フォスフォフィライトのような淡青緑色~薄荷色の鉱物としては、トルマリン(電気石)(パライバトルマリン)やアパタイト(燐灰石)などが挙げられる。 また、宝石としての利用は一般的ではないが、ヴァナジウムを含む魚眼石(アポフィライト)の色合いはフォスフォフィライトによく似ているものがある。

関連項目

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