燐灰石 apatite
燐灰石(リンカイセキ、リン灰石、 apatite, アパタイト)は主としてCa
5(PO
4)
3(F/Cl/OH)という組成を持ち六方晶系の
リン酸塩鉱物のグループ名。燐酸塩鉱物の中でも最も代表的なグループの1つであり、様々な種類の火成岩、変成岩、堆積岩の中に広く見られる。
燐灰石の代表的な1種であるフッ素燐灰石の結晶
- 燐灰石の特徴と分類
- 燐灰石グループ(Apatite Group)
- 燐灰石スーパーグループ(Apatite Supergroup)
- 燐灰石の産業的利用
- 関連項目
リン灰石の特徴
一般的には、リン灰石とはフッ素リン灰石、塩素リン灰石、水酸燐灰石の3種の固溶体の総称を指す。化学式で表すとCa5(PO4)3(F/Cl/OH)となり、フッ素イオン、塩素イオン、水酸化物イオンが置換しあっている関係にある。岩石中に最も一般的に見られる燐灰石はフッ素燐灰石である。
この他に、水酸燐灰石のリン酸イオンの一部を炭酸イオンまたは炭酸水酸イオンで置換するものがあり、炭酸水酸燐灰石carbonate hydroxyapatiteと呼ばれる。
燐灰石グループ(Apatite Group)
フッ素リン灰石、塩素リン灰石、水酸燐灰石の3種のリン灰石の他に、同じ結晶構造をもつ燐酸塩鉱物およびヒ酸塩鉱物、ヴァナジン酸塩鉱物をまとめた鉱物グループはリン灰石グループと呼ばれる。リン灰石グループに属する鉱物は下記の通りである。
Apatite Group
燐灰石スーパーグループ(Apatite Supergroup)
リン灰石グループの鉱物に加えて、ベロヴァイトグループおよび珪酸塩鉱物のエレスタド石グループの鉱物をあわせてリン灰石スーパーグループとと呼ばれる。リン灰石スーパーグループに属する鉱物は、上記のリン灰石グループの鉱物に加えて、下記のものがある。
Belovite Group
Britholite Group
(REE,Ca)5[(Si,P)O4]3
- Britholite-(Ce) (Ce,Ca)5(SiO4)3OH (Hex. 6/m : P63/m)
- Britholite-(La) Ca2(La,Ce,Ca)3(SiO4,PO4)3(OH,F) ()
- Britholite-(Y) (Y,Ca)5(SiO4)3OH (Hex. 6/m : P63/m)
- Calciobritholite (Ca,Y)5(SiO4,PO4)3(OH) ()
- Fluorbritholite-(Ce) (Ce,Ca)5(SiO4)3F (Hex. 6/m : P63/m)
- Fluorbritholite-(Y) (Y,Ca)5(SiO4)3F (Hex. 6/m : P63/m)
- Fluorcalciobritholite (Ca,REE)5(SiO4,PO4)3F (Hex. 6/m : P63/m)
- Tritomite-(Ce) Ce5(SiO4,BO4)3(OH,O) ()
- Tritomite-(Y) Y5(SiO4,BO4)3(O,OH,F) ()
エレスタド石グループ Ellestadite Group
Hedyphane Group
関連項目