自然金の色は黄金色であるが、銀の含有量が増すと白味を帯びる。
自然金は自然銀との間に固溶体を作り、通常、数%程度以上の銀を含んでいる。金と銀の含有量が半々近くのものをエレクトラムと呼ぶことがある。
金は反応性の極めて低い元素で化合物をあまり作らないため、ほとんどは自然金として産する。
ほとんどの自然金は熱水の作用によって石英の脈の中に形成され、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄鉄鉱などの硫化鉱物を伴う事が多い。
ごくまれに苦灰石や菱苦土鉱、方解石などの炭酸塩鉱物からなる脈の中に産することがある。
風化侵食によって分離したものは、砂金と呼ばれる砕屑性の自然金になる。砂金を含む砂やレキが固まってできた礫岩や砂岩の存在も知られている。
巨大な自然金の葉片状結晶集合。アメリカ合衆国コロラド州ブレッケンリッジ(Breckenridgeg, Colorado, USA)産。画像幅約50cm。
自然金は最も重要な金鉱石である。 ただし、鉱業的に採掘される金鉱石の大半は1ミリメートル以下の微細な自然金を含む岩石であり、肉眼的に黄金色に見える数ミリメートル以上のサイズの自然金を含んでいることは稀である。