石灰岩などの化学堆積岩、さらにそれらが変成を受けた岩石(結晶質石灰岩、スカルンなど)を構成する主要な鉱物で地球上に広く見られる。
鉱物標本として市場に出回るような大型のへき開片や結晶は、主に石灰岩が続生作用に伴う変質や熱変成によって再結晶してできた岩石であ結晶質石灰岩やスカルンなどから得られる。 水晶などの他の鉱物に共生して自形結晶になっているものもしばしば見られ、主に熱水鉱床やスカルン中の熱水脈などから得られる。 また、沸石相相当の変成(熱水変質)を受けた岩石の空隙にも沸石類とともに成長した自形結晶がよく見られる。
砂岩中の方解石脈。淡黄色、菱形の方解石の自形結晶が多数見られる Loc. 千葉県南房総市荒川
霰石(aragonite、アラゴナイト)は方解石と同じ炭酸カルシウムからなるが結晶構造の異なる鉱物(同質異像、多形)の関係にある。
方解石と同じ結晶構造を持ち、カルシウムの部分を他の陽イオンに置き換えた鉱物は「方解石グループ」と呼ばれる。方解石と広い範囲で固溶体を成す。