ブリッジマナイト bridgmanite

ブリッジマナイト(ブリッジマン石, bridgmanite, ぶりっじまんせき)はMgSiO3という組成を持ち直方晶系(斜方晶系)の酸化鉱物の1種。ペロフスカイト型結晶構造を持つ。

ブリッジマナイト

ブリッジマナイトの特徴

ブリッジマナイトはペロフスカイト型結晶構造をもち、頑火輝石(エンスタタイト, enstatite)や、単斜頑火輝石(clino-enstatite、クリノエンスタタイト)、秋本石(akimotoite)と同質異像の鉱物である。

マントルは大部分がかんらん岩の組成を持っており、上部マントルでは主に苦土かんらん石から構成されている。苦土かんらん石は深さ660 km付近まではウォズレアイトリングウッダイトという結晶構造の異なる同質異像の鉱物に変化するが、それよりも深くなると、
Mg2SiO4 → MgO + MgSiO3
という反応で分解し、ペリクレースとブリッジマナイトになる(文献[1][2][3])。ブリッジマナイトは下部マントルのほぼ全体で安定で、地球全体の体積のかなりの割合がブリッジマナイトとペリクレースからできている。

ブリッジマナイトは高温高圧合成実験によって存在は知られていたが、下部マントル物質であるブリッジマナイトを地表で採集するのは極めて難しく未だに達成されていない。 そのため、長い間にわたって鉱物名は与えられておらず、結晶構造から"珪酸塩ペロフスカイト"、あるいは高温高圧鉱物学の業界では単に"ペロフスカイト"などと故障されてきた。 2014年に隕石中からはじめて発見され、Percy W. Bridgman(高圧物理学の研究業績で1946年にノーベル物理学賞受賞)にちなんでブリッジマナイトと命名された(Tschauner et al., 2014)。

関連項目

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参考文献

planetscope岩石鉱物詳解図鑑

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