満礬柘榴石(まんばんざくろいし, spessartine スペサルティン, ジテッ鉱)はMn
3Al
2[SiO
4]
3という組成を持つ
柘榴石の一種。
立方晶系、硬度7~7.5、比重4.18。
主にマンガン、アルミニウム、珪素、酸素からなり、マンガンの一部は鉄、マグネシウムなどと置き換わる。
満礬柘榴石の色はオレンジ色、褐色、赤褐色、赤色などである。満礬柘榴石の結晶は特徴的な菱形24面体で、結晶面には条線が発達していることが多い。
各種の柘榴石と固溶体を成すが、特に
鉄礬柘榴石、
苦礬柘榴石との間には連続的に固溶体が存在する。
鉄礬柘榴石、
苦礬柘榴石、
満礬柘榴石とをまとめてパイルスパイト(pyrspite)という野外名(俗称)が与えられる事がある。
満礬柘榴石の産出は、
花崗岩質ペグマタイト、変成マンガン鉱床(変成度の高めのもの)、
結晶片岩、
片麻岩などの
変成岩、
さらに一部の
流紋岩や
デイザイト、
安山岩などの珪長質から中間質の
火山岩の斑晶などが挙げられる。