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変成岩 metamorphic rocks

変成岩(へんせいがん, metamorphic rocks)は、既存の岩石が熱や圧力、または流体の作用による化学組成の変化によって、溶融すること無く再結晶し、異なる鉱物組み合わせ・鉱物組織となった岩石を指す。
埼玉県長瀞町 三波川変成帯の泥質片岩 pelitic schist Sanbagawa metamorphic belt
埼玉県長瀞町 三波川変成帯の泥質片岩

変成岩の概要

変成岩を形成する作用を変成作用(metamorphism)という。 変成作用とは、熱、圧力、流体の作用によって、既存の岩石が溶融すること無く再結晶し、異なる鉱物組み合わせ・鉱物組織となる作用のことである。 堆積岩の形成過程である続成作用と、変成岩の形成過程である変成作用は、明確な区切りがなく連続的である。そのため、変成作用の弱い変成岩は堆積岩として扱われることもある。 また、流体の作用のなかでも火山活動に関連した熱水・温泉・噴気による作用は変質作用と呼ばれて区別されることが多い。 しかし、低変成度の変成作用も変質作用として呼ばれることがあり、明確な区別の基準はない。

変成作用を受ける前の元の岩石を原岩(protolith)と言う()。特に変成岩地帯の地質構造を議論する場合などには、変成岩としての岩石名よりも、原岩の名前で岩石を扱うことも多い。なお、protolithの和訳として「源岩」と書かれることもしばしばあるが、本来は「原岩」が正しいとされる。

変成岩の分類

変成岩は通常、プレート運動にともなう造山運動(オロジェニー)によって形成される広域変成岩、 火成岩貫入に伴った熱や化学組成の変化によってできる接触変成岩、 断層運動に伴う岩石の温度や圧力の上昇、または変形によって形成される動力変成岩などに分けられる。 それぞれの変成岩を形成する作用を、広域変成作用、接触変成作用、動力変成作用と呼ぶ。
ただしこれらの分類は人為的なものであり、連続的に変化するものや、どちらの作用でも形成されうる変成岩も存在する。 また、複合的に変成作用を受けることも少なくない(たとえば、広域変成作用を受けた後に接触変成作用を受ける、など)。

代表的な広域変成岩

代表的な接触変成岩

動力変成岩

変成岩岩石学

変成岩の鉱物組合せは熱力学的に解析することができる。

関連項目

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