planetscope岩石鉱物詳解図鑑

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片麻岩 gneiss

片麻岩(へんまがん、gneiss、ナイス)の定義は他の岩石に比べると曖昧で「弱い片状構造を持ち、やや粗粒〜粗粒の珪長質変成岩」と言い表せる。 外見は「縞模様を持つ花こう岩」のように見えるものが多い。 主に大陸地殻中部〜下部で高温中圧で形成される変成岩。強い変形を受けていることが多い。 鉱物粒の配向による片理構造の他に、捕獲岩や岩脈などの不均質部分が引き伸ばされることによって生じる特徴的な縞模様が見られ、「片麻状構造」と呼ばれる。

片麻岩(へんまがん、gneiss、ナイス)-アカスタ片麻岩(世界最古の岩石)
アカスタ片麻岩 (カナダ スレーブ地塊 約40億年前アカスタ岩体)

片麻岩の概要

片麻岩の定義は曖昧であるが、一般には「弱い片状構造を持ち、やや粗粒〜粗粒の珪長質変成岩」と言い表せる岩石のことを指す。 構成鉱物は主体となる石英・長石類に加えて、黒雲母や白雲母などの雲母類、普通角閃石などの角閃石類、またざくろ石類などを伴うことが多い。
外見は「縞模様を持つ花こう岩」のように見えるものが多い。片状構造が発達した結晶片岩とは異なり、片麻岩は薄く割れやすいという性質がそこまで強くないものも多い。 鉱物粒の配向による片状構造の他に、捕獲岩や岩脈などの不均質部分が引き伸ばされることによって生じる特徴的な縞模様が見られ、「片麻状構造」と呼ばれる。

片状構造の発達度合いは一定の定義があるわけではなく、中間的なものも多数ある、1つの露頭内でも連続的に遷移していく、といったことも頻繁にある。 同一の岩石を指して「片麻岩」と呼ぶか「結晶片岩」と呼ぶかは研究者によって別れることも珍しいくない。

片麻岩の源岩は多様であるが、大半のものは珪長質の火成岩・堆積岩、特に花こう岩または砂岩・泥岩である。 まれに石灰岩などの炭酸塩岩を源岩とする「石灰質片麻岩」も存在する。
片麻岩と呼ぶことができる組成の範囲はあまり広くない。普通角閃石が多いものは角閃岩と呼ばれ、石英が多いものはクォーツァイトと呼ばれる。 また、角閃石類や雲母類などのイノ珪酸塩鉱物・フィロ珪酸塩鉱物が多いものは、片状構造がより発達するため結晶片岩と呼ばれる。

成因・産出地

主に大陸地殻中部〜下部で高温中圧で形成される変成岩。強い変形を受けていることが多い。

日本では白亜紀の花崗岩バソリスベルトである領家帯や阿武隈帯に産するものが典型的である。

片麻岩の分類

源岩による分類

片麻岩は、花崗岩類などの深成岩を源岩とする正片麻岩orthogneissと、砂岩・泥岩などの堆積岩を源岩とする準片麻岩paragneissに大別される。
正片麻岩は「花崗岩質の片麻岩」という意味を強調するために花崗片麻岩granitic gneissと呼ばれることもある。
石灰質片麻岩は準片麻岩に含まれる。石灰質片麻岩とスカルンあるいは結晶質石灰岩(大理石)とは、片状構造を持つかで区別するが、その境界もまた厳密な定義があるわけではなく曖昧である。 周辺の砂岩・泥岩などの堆積岩が片麻岩になっているかどうかで区別することが多い。

構成鉱物による分類

片麻岩を鉱物によって分類する場合は、石英・長石以外の特徴的な鉱物の名前を冠して呼ぶことが通常である。 具体的には以下のような例があげられる。 詳細に分類するには、複数の鉱物名をかけ合わせて「黒雲母柘榴石片麻岩」などのように呼ばれる。

組織による分類

眼球のようにレンズ形の集塊した長石などを持つ片麻岩を眼球片麻岩 augen gneissと呼ぶ。

部分的に溶融し、火成岩になりかけた片麻岩をミグマタイト migmatiteと呼ぶ。

石材としての産業利用

片麻状構造による縞模様が見られるが、基本的な性質は花こう岩類と同じであるため、御影石と同様に石材として広く用いられる。 均質で等方的なことが花崗岩や斑れい岩などの深成岩の石材のセールスポイントであるのに対して、片麻岩は片麻状構造による縞模様や、眼球片麻岩のような不均質性が視覚的に楽しませてくれる点がセールスポイントになる。 ただし、片麻状構造の流れの方向や色合いのバランスを建築全体で考える必要があり、デザインの工夫が必要なのはもちろん、それに見合う必要な量の石材を確保しなければならないなど、花崗岩類よりも使用上の注意点が多い。

桃色の片麻岩を石材として利用した床
片麻岩を石材として利用した壁。

関連項目