ザクロ石は、X3Z2(SiO4)3という一般化した化学式で表せる組成を持っている鉱物のグループであり、ざくろ石グループ(garnet group, ガーネットグループ)と称される。
X = Mg, Ca, Fe2+, Mn2+, など
Z = Al, Fe3+, Cr3+, V3+, Sc, Ti など
以下に主な柘榴石グループ(ガーネットグループ)の鉱物種を列挙する。
さらに、ざくろ石グループの拡張として、Siの置換も考慮したざくろ石スーパーグループ(Garnet Supergroup)がある。
柘榴石スーパーグループの一般式は、X3Z2(TO4)3と表され、
X = Mg, Ca, Fe2+, Mn2+, など
Z = Al, Fe3+, Cr3+, V3+, Sc, Ti など
T = Si, As, V, □H, Feなど
である。Tの置換に関しては、やや複雑であるため、一般的な表記にして表すのは難しい。また、Tのケイ素の過半数が置換されている場合、珪酸塩鉱物ではなく、ヒ酸塩鉱物、ヴァナジン酸塩鉱物、酸化鉱物などに分類される。
以下に主な柘榴石スーパーグループ(ガーネットスーパーグループ)の鉱物種を列挙する。上記のざくろ石グループの他に、ベルツェリアイトグループ(Berzeliite group, ベルゼリアイトグループ)、バイティクレアイトグループ(Bitikleite Group)、(Henritermierite Group)、チタンざくろ石グループ(Schorlomite Group、ショーロマイトグループ)の4つのグループがある。
ベルツェリアイトグループ Berzeliite Group
バイティクレアイトグループ Bitikleite Group
ヘンリターミエライトグループ Henritermierite Group
チタン柘榴石グループ Schorlomite Group (ショーロマイトグループ)
その他の特定グループをなさない柘榴石スーパーグループ所属の鉱物として、主に下記のものが挙げられる
柘榴石グループの鉱物はすべて立方晶系に属し、それらの結晶の形は24面体や12面体、およびそれらの中間の立体になることが多く特徴的である。結晶面には条線や成長丘が発達して階段状になっていたり凹凸が見られたりすることも多い。
ザクロ石の色は組成によって大きく変化する。"柘榴"石の名前の通り、果物のザクロと同様に赤色や褐色、黒色などが多いが、その他にも無色、白色、黄色、オレンジ色、桃色、淡緑色、枯草色、鮮緑色などの様々な色のザクロ石がある。
柘榴石の色や硬度も組成によって変化するが、通常は硬度7~7.5、比重3.6~4.2である。灰鉄柘榴石や鉄礬柘榴石などの鉄を多量に含む柘榴石は弱い磁性を持つ。
柘榴石の結晶は、赤くて球に近いころころとした形の結晶が集合した状態で産出することがしばしばある。 この様子が果物の柘榴(ザクロ)に似ていることから、ラテン語で柘榴を意味する"granatum"に因んで、ガーネット"garnet"と呼ばれるようになった。 和名もこれに因んで"柘榴石"となった。
天然に産出する柘榴石の産業的な利用方法は、主に宝石用途と研磨剤用途である。