キンバーライトの産出地は太古代や原生代の安定大陸地塊上に生じたリフト帯に沿って産出する。
ただし、キンバーライトの火成活動の年代そのものは若い。キンバーライトは最古で約20億年前のものが報告されているが、大半は2億年前よりも若い顕生代、特に1億3000万年前から6000万年前に集中している。
キンバーライトの産出する地域として、南アフリカ・ジンバブエ・カナダ・シベリア地方などが挙げられる。
典型的なキンバーライトの産状は漏斗形のパイプで、その他に岩脈やシルなどの形でも産する。
キンバーライトは、微細な粘土鉱物や炭酸塩鉱物などからなる基質と、かんらん石、金雲母、輝石類(透輝石など)の他、少量の柘榴石(苦礬柘榴石)、チタン鉄鉱、菱苦土鉱や苦灰石などの炭酸塩鉱物、石墨、ダイヤモンドなどの"斑晶"からなる。
典型的なキンバーライトの全岩組成は、15 wt%以上という高いMgO濃度(超苦鉄質)、33 wt %以下という極めて低いSiO2濃度、さらに高いK2O/Na2O比(通常3以上)、そして炭酸塩鉱物が多量に見られるように高いCO2含有量を持つ、という特徴がある。見かけ上は、キンバーライトの組成は"カリウムと二酸化炭素に富む超苦鉄質岩"と形容できる。 ただし、キンバーライトは捕獲結晶や捕獲岩を多量に含むため、全岩組成の取扱には注意が必要である。
キンバーライトの岩石名は南アフリカ共和国北ケープ州の州都キンバリーに由来がある。
キンバーライトの形成はカーボナタイト質マグマと大きく関連する。
マントルの150kmよりも深いマントルのかんらん岩が、二酸化炭素に富んだ状態で極めて低い部分溶融度で融けるとカーボナタイト質マグマが生じると考えられている。
カーボナタイト質マグマ急速に上昇する際に、周囲のかんらん岩と反応、また捕獲岩として取り込んで噴出したものがキンバーライトであると考えられている[1]。
ダイヤモンドのような高圧下でのみ安定な鉱物を保持していることや、漏斗状の産状から、キンバーライトはマントルの深さから急激に上昇し、爆発的な噴火を伴って地表に噴出したと考えられている。