カーボナタイトの主要な構成鉱物は方解石や苦灰石などの炭酸塩鉱物である。
その他、燐灰石、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、重晶石、蛍石、ソーダライト(方ソーダ石)、ソーダ沸石などを含む。
噴出したばかりのカーボナタイト溶岩には希少なナトリウムとカリウムの炭酸塩鉱物であるニエレレアイト (nyerereite、Na2Ca(CO3)2) と グレゴライト (gregoryite、(Na2,K2,Ca)CO3) が豊富に含まれることが確認されているが、
これらの鉱物は雨水によって容易に流されてしまうため地質記録にはほとんど保存されない。
カーボナタイトの形成はキンバーライトと大きく関連する。
150kmよりも深いマントルのかんらん岩が二酸化炭素に富んだ状態で極めて低い部分溶融度で融けるとカーボナタイト質マグマが生じる。
これがあまりマントルかんらん岩と反応せずにそのまま地表へ噴出するとカーボナタイトが形成され、マントルかんらん岩と反応したり大量のかんらん岩質(あるいは輝岩質)捕獲岩と共に噴出するとキンバーライトとなる。
歴史的には、石灰岩や苦灰岩などの炭酸塩堆積岩の溶融でカーボナタイトが生じるという仮説も現れたが、
カーボナタイトの地球化学的特徴から否定されている。
例えば、カーボナタイトの炭素同位体比13C/12Cは、堆積岩のものとは大きく異なり、マントルを構成する岩石に似た値を持つ。
地質記録として見られるカーボナタイトは、貫入岩脈などであり、溶岩流などのように地表に噴出した形態ではほとんど保存されない。 これは大部分が可溶性の炭酸塩で構成されているカーボナタイトの溶岩流は容易に風化してしまうためである。 カーボナタイト質溶岩を噴出する火山噴火は東アフリカ地溝帯の中にあるタンザニアのオルドイニョ・レンガイ (Ol Doinyo Lengai)でのみ記録されているが、実際には過去のもっと多くのカーボナタイト質火山噴火が起きていたと考えられる。 カーボナタイト質溶岩流は500-600°Cで、世界最低温度の溶岩流である。
カーボナタイト中にはレアアース元素(REE)やニオブ、タンタル、ウラン、トリウム、バリウム、フッ素、ジルコニウムなどの非適合性元素が濃集し、それらを含む鉱物が晶出して経済的に重要な鉱床を形成することがある。 また、アパタイト、重晶石およびバーミキュライトは、いくつかの炭酸塩に関連する工業的に重要な鉱物の一つである。
バストネサイトを含むカーボナタイト(アメリカ ネバダ州). レアアース鉱石として重要.