planetscope岩石鉱物詳解図鑑

ご質問・ご指摘等ございましたら、 こちらのブログ記事のコメント欄までお願いします。

火成岩 かせいがん

火成岩(かせいがん、igneous rocks、イグニアスロック)は溶融した岩石であるマグマが固化してできた岩石の総称である。 火成岩を大きく分けると、主にマグマがゆっくり冷え固まった深成岩と、マグマが急速に冷え固まった火山岩の2つからなる。
火成岩の一種である玄武岩
火成岩の一種である玄武岩。アメリカ、デスバレー

火成岩の概要

地球上の岩石の大半は珪酸塩鉱物からなる。 珪酸塩鉱物は、化学組成にもよるが、たいていのものは常圧下ではおおよそ700-2000℃で溶融する。 マグマmagmaは溶融した岩石、すなわち鉱物の集合体、である。 マグマは700-2000℃以下になると逆に固化し、マグマが固化してできた岩石を火成岩という。

火成岩は通常、マグマがゆっくり冷え固まった深成岩と、マグマが急速に冷え固まった火山岩の2つに大きく分けられる。 日本語の名前にあらわれているように、深成岩は地下深部でマグマがゆっくり冷え固まったもの、火山岩は火山のように地表付近までマグマが上昇して急冷したものである場合が多いが、 分類の定義としては冷却速度(とそれによって作られる岩石組織の特徴)が重要であって、必ずしも地下の深度とは対応しない。

中間的な速さで冷えた岩石として半深成岩という用語も存在するが、現在ではあまり使われない。 ただし岩石学と隣接した分野で用語に組み込まれることで、一部の半深成岩の名前は、依然として頻繁に用いられているものもある。 (例えば、ポーフィリー(斑岩)はポーフィリーカッパー鉱床(斑岩銅鉱床)として鉱床学の用語になっている)。 また、古い文献の地質や岩石の記載を読み解くのに必要になるので、半深成岩の分類も知っておいて損はないだろう。


火山から噴出するマグマ(クラカタウ火山、インドネシア) 画像引用元

火成岩の分類

火山岩と深成岩は、さらに化学組成によってさらに細かい岩石の種類に分けられる。 以下に、一般的な火成岩の分類とその特徴をまとめた表を示す。

火成岩の分類 珪酸(シリカ)の割合 造岩鉱物の組み合わせ

火成岩はSiO2の重量パーセント(wt%)の多いものから順に珪長質(けいちょうしつ, felsic, フェルシック)、中間質(ちゅうかんしつ, intermediate, インターミディエイト)、 苦鉄質(くてつしつ, mafic, マフィック)、超苦鉄質(ちょうくてつしつ, ultramafic, ウルトラマフィック)と分類される。 それぞれ、珪長質は63wt%以上、中間質は52〜63wt%、苦鉄質は45〜52wt%、そして超苦鉄質は45wt%以下である。

より詳細な火成岩の分類基準は、国際地学連合IUGSによって提唱されている。 超苦鉄質岩〜苦鉄質岩はかんらん石-直方輝石(斜方輝石)-単斜輝石-斜長石の4つの鉱物を端点に取った図、苦鉄質岩〜中間質岩〜珪長質岩は主にQAPF図をそれぞれ用いて、 岩石の鉱物組成によって整理・分類される。


超苦鉄質岩〜苦鉄質岩の分類

QAPF図は、Q: quartz石英(シリカ鉱物), A: Alkali feldsparアルカリ長石, P: Plagioclase斜長石 F: foid準長石の4つの無色鉱物(性格には鉱物グループ)を 頂点にとった菱型の図形で表され、 火成岩のモード組成またはノルム組成の中のこれら4成分の無色鉱物の量比を100%に規格化し、その値に従って分類する。 QAPF図中で2種類以上の岩石名が書かれているものは、有色鉱物が占める割合の多い/少ないによってさらに分類される。

火成岩の分類 深成岩 QAPF図 日本語 火成岩の分類 火山岩 QAPF図 日本語
深成岩のQAPF図と火山岩のQAPF図(クリックで拡大版へリンク)

特殊な火成岩

特殊な火成岩として、ほとんど炭酸塩鉱物からなるカーボナタイトという火山岩が挙げられる。 リフト帯による大陸分裂に伴って、水をほとんど含まないマントルが二酸化炭素ガスを大量に含んだ状態で形成されるマグマであると考えられている。 カーボナタイトはレアアースを含む鉱物に富むことがあり、資源的にも重要である。
キンバーライトは、カーボナタイトマグマがマントルを上昇してくる間にかんらん岩と反応してできた火山岩であると考えられている。 キンバーライトはしばしばマントル捕獲岩を多量に含んでおり、貴重な地球深部の情報を提供してくれるばかりではなく、ダイヤモンドの資源としてのほぼ唯一の供給源であることから 重要である。

火山の噴気孔近くでは、火山ガスから生じた自然硫黄が付着していることは多いが、 特に高温の場合、溶融して液体の硫黄が流れ下る減少が起こる。このような溶融硫黄も一種のマグマと見なせなくもないが、通常はそのようには扱わない。

火成岩岩石学

熱力学的取り扱いについて(準備中)

関連項目

岩石詳解図鑑トップへ戻る