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トロニエム岩(trondhjemite)

トロニエム岩(とろにえむがん, trondhjemite)は深成岩の一種で、トーナル岩の亜種で、トーナル岩のうち斜長石の大半が曹長石(特にAl:An=90:10である oligoclase オリゴクレース、灰曹長石)であるものを特にトロニエム岩という。 斜長花崗岩 plagiograniteと称されることもある。

トロニエム岩

トロニエム岩は玄武岩の含水溶融でできる花崗岩類の1つであり、トーナル岩花崗閃緑岩とまとめてTTG=Tonalite-Trondhjemite-Granodioriteと総称される。 太古代の地質体ではTTGは一般的である。現世でも沈み込みが始まってからあまり時間の経っていない海洋性島弧ではTTGが一般的に見られ、狭義の花崗岩は通常生じない。日本では神奈川県丹沢などでトロニエム岩が観察される。
また、海洋地殻中のシート状岩脈部分(表面の玄武岩と、深部のハンレイ岩の間の部分)において、ドレライトと共にトロニエム岩の岩脈が見られる。これは玄武岩の含水溶融ではなく、ハンレイ岩から結晶分化して生じたトロニエム岩であると考えられる。

関連項目

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