純粋な二酸化ジルコニウムからなるバデレアイトは無色だが、微量成分や含まれるウラン、トリウムなどの放射線によって、黒色、黒褐色、褐色、赤褐色、黄色、緑褐色などの色を示す。 バデレイアイトの硬度は6.5、比重は5.4-6.0程度。
二酸化チタンからなる赤荻石はバデレアイトと同じ結晶構造を持ち、これらの鉱物をまとめてバデレアイトグループという分類がある。
バデレアイトはシリカに飽和した岩石(石英の存在することのできる岩石)においてはシリカと反応してジルコンとなるため、シリカ不飽和な岩石の中にのみ産出する。 そのようなバデレアイトを含みうる岩石として、閃長岩などのアルカリ火成岩やそのような組成のマグマから生じたペグマタイト、カーボナタイト、キンバーライト、ドレライトなどが挙げられる。
また、スカルンなど変成した炭酸塩岩の中にバデレアイトが産することもある。
コランダム中のバデレー石(バデレアイト)の結晶。画像幅約3mm。
カーボナタイトに含まれるバデレアイトは、モナズ石など希土類元素を多く含む重鉱物とともに回収されて、ジルコンに次ぐジルコニウム資源として用いられることがある。