2018 山梨県甲州市大菩薩峠の褐簾石

Allanite in granitic pegmatite in Daibosatsu-touge, Yamanashi Pref.

巡検の概要

山梨県甲州市塩山の大菩薩峠近辺は花崗岩類ホルンフェルスからなり、一部に花崗岩質ペグマタイトがあります。ペグマタイトの中に褐簾石が産することから、関東近郊の有名鉱物産地として、古くは長島乙吉・弘三『日本希元素鉱物』(1960年)や、最近では『鉱物観察ガイド』や『鉱物ウォーキングガイド』などの書籍でも取り上げられています。
今回、はじめて大菩薩峠を訪れたので、その様子を紹介します。上記の書籍の産地位置がチョットわかりにくかったので、地図も載せました。

フィールドの様子

大菩薩峠へ向かう登山道入口は裂石近くにありますが、途中の長兵衛ロッジまでは自動車で行くことができます。台数に限りがあるものの、駐車場もよく整備されています。 登山ハイシーズンだったので長兵衛ロッジも駐車場も登山客で大変賑わってました。

下の地図でピンクの◯をつけたところが褐簾石の産地です。大菩薩峠の褐簾石産地までは長兵衛ロッジから歩いておよそ30分程度です。我々は途中の沢に降りて寄り道などしていたのでもう少し時間がかかってしまいました。 下の地図で[水]と書かれている沢にもペグマタイトや石英塊のレキが落ちているものの、鉱物採集の対象になるようなものは見つかりませんでした。

産地の様子。尾根部分を通る登山道から山の斜面を下って沢に降りるとすぐにペグマタイトなどがたくさん目に付きます。 それらの石を小割にしながら褐簾石を探します。 砂利は少ないため、パンニングはあまりできませんでした。

やや上流側にいちおうペグマタイトの露頭があるものの風化していて見づらい…。

採集できた褐簾石。画像幅約4cm。5mm程度の小さな褐簾石なら小1時間でいくつか見つけることができます。

黒雲母の六角形板状の自形結晶も取れました。大したものではないけど、記念程度に。

鉄電気石も見つかるらしいとのことでしたが見つけることはできませんでした。 それほど大したものが採れるわけではないものの、関東近郊の有名産地に巡検ならぬ"巡礼"をできてよかったと思います。

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