ローソン石 lawsonite

ローソン石(ろーそんせき, lawsonite, ローソナイト)はCaAl2Si2O7(OH)・H2Oという組成を持ち、直方晶系の鉱物。 珪酸塩鉱物に分類され、カルシウム、アルミニウム、珪素、酸素、水素からなる。 プレート沈み込み帯(サブダクションゾーン)などで形成される低温高圧型の変成岩に特徴的に含まれる鉱物である。
青色片岩中の白色~紫色~淡緑色のローソン石の脈。Loc. 東京都日の出町
青色片岩中の白色~紫色~淡緑色のローソン石の脈。Loc. 東京都日の出町。画像幅約13cm

ローソン石の特徴

純粋なローソン石は無色であるが、白色、灰白色、灰青色~淡青色、灰紫色~淡紫色、淡緑色などの色を呈する。クロムを含むものは濃い鮮緑色となる。ガラス光沢を示し、硬度7.5、比重3.1。へき開は[001]に完全、[110]に不完全。

ローソン石の産出

ローソン石は藍閃石などと並んで低温高圧型変成岩に特徴的な造岩鉱物である。 青色片岩相~エクロジャイト相程度の変成を受けた玄武岩質、泥質、砂質などの変成岩に広く含まれるが、多くの場合は1mm以下の微細な結晶として含まれるため、フィールドで目視で確認できることは少ない。 一部の青色片岩などの中には、ローソン石が数cm程度の大型の自形結晶として産したり、数mmから数cm程度の幅を持った脈やレンズなどの結晶の集合体として産することがある。

ローソン石は、より高温条件下では灰簾石斜灰簾石石英藍晶石(あるいは珪線石)などの鉱物組合せに相転移しながら脱水し、さらに高温低圧の条件では灰長石になる。ローソン石の組成は灰長石(CaAl2Si2O8)+水分子x2として表すことができる。
エクロジャイト中に含まれるローソン石は、沈み込むスラブでは深さ300km程度まで安定に存在できると考えられており、沈み込み帯深部のマントルへの水の供給に重要な変成鉱物である。

ローソン石グループの鉱物

ローソン石グループの鉱物として以下のものが知られている。

ローソン石の産業的利用

天然のローソン石に工業的な利用価値は無いため、ローソン石を目的とした鉱業的採掘は行われていない。 まれにローソン石の美しい結晶を研磨して宝飾品として利用されることがある。

関連項目

岩石鉱物詳解図鑑トップへ戻る

planetscope岩石鉱物詳解図鑑

planetscopeサイト内の画像利用については、 こちらの記事を参照ください。