2014 四国地質調査and巡検
Geological excursion in Shikoku Island
2014年2月、四国の四万十帯横浪メランジュと三波川変成帯の各所を巡ったので、少し展示を作りました。
今回の旅で周った地点を地質図上にプロットしました。
横浪メランジュYokonami
高知県横浪半島で見られる四万十帯のなかのメランジュです。
主に砂泥からなる四万十帯ですが、ここでは層状チャートやMORB(中央海嶺玄武岩)が見られます。
メランジュのみならず、付加体の地質構造を観察するのに良い場所です。
南方にあるチャートの絶壁は圧巻の迫力。
足摺岬の花崗岩類 Ashizuri granitoid
ラパキビ花崗岩などの特殊な花崗岩も見られます。
観光地として有名な洞門も見られました。足摺は広い太平洋に切り立つ花崗岩地形が美しい土地です。
高知県汗見川の点紋片岩と徳島県山川の青色片岩
早明浦ダムの東の脇から汗見川上流ヘ向かうと点紋帯が広がっています。
さらに上流へ行けば、角閃岩相、エクロジャイト相も見られるようですが、今回の旅では雪により道が凍結していたので行けませんでした。
点紋緑色片岩の露頭観察と、下流の河原にてその他紅簾石片岩や点紋角閃岩、蛇紋岩などの転石採集を行いました。
さらにその足を伸ばして、徳島県山川にて、青色片岩の見学をしました。
関川の柘榴石角閃岩とエクロジャイトの転石
東赤石山の登山口に当たる部分です。上流の東赤石山にはエクロジャイトの露頭がありますが、けっこうハードな登山が必要になります。
関川下流の転石ではたくさんの柘榴石角閃岩やその他結晶片岩類が観察できる他、エクロジャイトもたまに見られます。
今回、柘榴石角閃岩から菱面12面体の美しい自形結晶がたくさん入っているものを見つけることができました。
別子銅山跡の観光地
三波川変成帯の中に発達したキースラーガー鉱床(層状硫化鉄銅鉱床)の別子銅山。
住友財閥の基板となったこの鉱山の跡地には、今ではいくつかの鉱山跡観光施設があります。
多少の別子銅山や三波川変成帯関連の鉱物標本などの展示も見られますので、この近くに行った時には是非お立ち寄りください。
おまけ: 空から日本を見てみよう 豪雪の甲府盆地と笠雲被る富士山
羽田から高知行きの飛行機から、平成26年豪雪によって真っ白になった甲府盆地と、笠雲被る富士山がよく見えたのでここに展示します。