2014 高知地質巡検と鉱物採集
Kochi geological survey
ぐるっと三波川変成帯 その1
高知県汗見川の点紋片岩と徳島県山川の青色片岩
汗見川は高知県北部を北から南に流れている清流です。東西方向に広がる三波川変成帯と直交して流れるため、
その断面を低変成度から高変成度までを地表に露出させており、
変成岩岩石学における変成分帯の研究において世界的な注目を浴びた川です。
吉野川の支流にである汗見川はとても透明度が高い清流です。
高知県を北から南に流れているので、中央構造線沿いに流れる吉野川の支流と言われると奇妙に感じますが、これがさらに90°に近い角度で数回曲がって徳島県に出ます。
いたるところに地学観察ポイントの手作り感満載の看板が立ってます。
上記のとおり、太平洋型造山帯の変成岩岩石学の分野ではとても重要な役割を果たしている汗見川ですので、
ここもジオパークを目指して本格的な看板を作れば良いのでは、と思いました。
県道264号線沿いに少し上流へ、七戸集落周辺の河原へ行くと、点紋片岩の巨大な転石が見られる。
露頭はこのあたりではまだ変成度があまり高くないため、まだ点紋片岩は無い模様。
転石の中には、紅簾石片岩のとても色の良い物がたくさん見られたり、蛇紋岩やその他各種結晶片岩も見られるので、
初心者の変成岩観察や変成鉱物採集には七戸集落近辺の河原は調度良いかもしれません。
県道264号線沿いにさらに上流へ入ったところで点紋片岩の露頭を確認、
この先柘榴石帯が現われるのでそれを目的にした旅だったのですが、
この先は道に雪が残っている上に凍結していてツルツルで危ないので止めました。
柘榴石帯まで行けないので時間を持て余してしまい、ここで大きく移動してずっと吉野川の下流の徳島山川へ青色片岩を見に行きました。
青色片岩のポイント。川の向こうに露頭がある。
青色片岩の露頭の様子。
名前から想像されるような「おお!!青い!!」というようなものではありませんが普通の青色片岩というのはこんなものなのでしょう。