熱力学第2法則ノート
熱力学第2法則に入り始める辺りというのは話の流れが難しく、理系大学生のつまづきポイントの一角を占めている.
そこでplanetscopeでは、他のサイトにはあまり載っていない、けど試験ではよく出題されるような情報を少し詳しめに解説します。
熱力学研究の歴史的な経緯に沿って勉強するならば、
@ 経験から現象の方向性がある(クラウジウスの原理⇔トムソンの原理)
A 理想気体のカルノーサイクルではQL/QH=TL/TH
B 可逆カルノーサイクルの効率は作業物質によらない
C 不可逆カルノーサイクルの効率<可逆カルノーサイクルの効率
D クラウジウスの不等式
→ここから状態関数エントロピーSを導入
という流れが一般的です。
最近では@の後、まず熱力学的なエントロピーの定義と、エントロピー増大則「孤立系のエントロピーは自発変化の間増加する」を述べてから、エントロピーが状態関数であることをA〜Dを経て解説するという流れの参考書もあります。
どちらがわかりやすいかは人それぞれかもしれませんが、こういう流れがあるのだということを知っていれば、後者の方がはっきりと目的がわかって良いかもしれないと思います。
Contents
- 0. 熱と温度について
- 1. 理想気体の性質に関する重要問題
- 2. 一般気体の性質に関する重要問題
- 3. クラウジウスの原理とトムソンの原理が等価であることの証明(上記の@を扱う)
- 4. カルノーサイクルに関する重要問題(上記のA〜Cを扱う)
- 5. (おまけ) 熱力学関数のカンタンな覚え方