ルチル Rutile

ルチル(Rutile)は酸化チタン(TiO2: チタン、酸素)からなる酸化鉱物の1種。
ルチルの色は赤褐色、黄褐色、黒褐色などで柱状から針状の光沢の強い結晶で産することが多い。 ルチルは比較的幅広い種類の火成岩や変成岩において造岩鉱物として産する他、ペグマタイト、アルパイン式脈、変成岩中の石英脈などでは大型の結晶となり、鉱物標本や宝飾品として広く出回っている。
板チタン石(イタチタンセキ,  brookite, ブルッカイト)
変成岩中から分離したルチルの結晶
Loc. Beitbridge, Limpopo, Zimbabwe

ルチルの特徴

ルチルはc軸方向に伸びた柱状または針状の結晶で産することが多い。柱面上に伸びの方向に並行に条線が発達する。 ルチルの色は、褐色、赤褐色、黒褐色、黄褐色、黄色など。

ルチルと同質異像のの関係にある鉱物として、鋭錐石(anatase, アナテース、アナターゼ)板チタン石(brookite)、赤荻石(Akaogiite)がある。

金紅石(きんこうせき)という和名が与えられているが、最近ではあまり用いられない。

ルチルの産出

同質異像の鋭錐石や板チタン石がアルパイン式脈やペグマタイトにしかほとんど産出しないのに対して、ルチルは幅広い地質環境に産出する。

チタン鉄鉱灰チタン石(ペロブスカイト)チタン石(スフェーン)などのチタン鉱物が変質することで、微細な結晶の鋭錐石やルチルの集合体になることがあり、そのようなものはリューコキシン(leucoxene, 白チタン石, しろちたんせき)と称される。

ルチルの産業的利用

関連項目

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