ルチルはc軸方向に伸びた柱状または針状の結晶で産することが多い。柱面上に伸びの方向に並行に条線が発達する。 ルチルの色は、褐色、赤褐色、黒褐色、黄褐色、黄色など。
ルチルと同質異像のの関係にある鉱物として、鋭錐石(anatase, アナテース、アナターゼ)や板チタン石(brookite)、赤荻石(Akaogiite)がある。
金紅石(きんこうせき)という和名が与えられているが、最近ではあまり用いられない。
同質異像の鋭錐石や板チタン石がアルパイン式脈やペグマタイトにしかほとんど産出しないのに対して、ルチルは幅広い地質環境に産出する。
チタン鉄鉱、灰チタン石(ペロブスカイト)、チタン石(スフェーン)などのチタン鉱物が変質することで、微細な結晶の鋭錐石やルチルの集合体になることがあり、そのようなものはリューコキシン(leucoxene, 白チタン石, しろちたんせき)と称される。