石灰質角礫岩(せっかいしつかくれきがん、calcareous breccia、カルカリアスブレッチャア)は
石灰岩の角礫(角張った岩片)が固結してできた堆積岩。
石灰岩中の
方解石などの炭酸塩鉱物が雨水の中に溶け出し、それがコンクリート状に固まることで角礫同士を結合させて形成される。
石灰質角礫岩の形成は、
石灰岩が広く露出する岩体上で、崖錐堆積物(がいすいたいせきぶつ、ガケが崩れて直下に積もった堆積物)や鍾乳洞内での崩落堆積物などとして局所的に起きる。
さざれ石と呼ばれ、日本国の国歌君が代に登場する。なお、さざれ石の本来の意味は「小石」であるが、小石の固まった様子が顕著である石灰質角礫岩についてもさざれ石と呼ぶようになった。
また、「さざれ石の巌となりて」と歌詞にあるように、石灰質角礫岩は炭酸塩鉱物からなるため風雨に晒されると侵食しやすく、巌(=小高く1~数mに盛り上がった岩石)の形状になりやすい。
巌状になった石灰質角礫岩にしめ縄飾りなどを施したものが、日本全国各地の社寺に飾られている。