現在では半深成岩には厳密な定義はなく、等粒状組織をもつ深成岩か、石基・斑晶の構造を持つ火山岩かに分類されることになっている。したがって、ドレライトにも厳密な定義があるわけではないが、「玄武岩の石基部分が結晶質に成長しているものの等粒状組織には達していない火成岩」に対するフィールド名のような呼称として今でもよく使われている。玄武岩質の岩石で全体としてほぼ同じ大きさの細粒の結晶からなる岩石はマイクロガブロ(microgabbro)として区別されることが多い。
ドレライトの化学組成や主な構成鉱物は玄武岩とほぼ同じで、斜長石と輝石とからなり、かんらん石を含むこともある。
新鮮なドレライトは黒色であることが多いが、風化・変質すると全体として暗緑色に見える岩石となり、そのようなものは特に輝緑岩(きりょくがん、diabase、ダイアベース)と呼ばれる。
ドレライトは斑れい岩などと同様に、"黒御影(くろみかげ)"の1種として建築石材に利用される。アフリカ南部ジンバブエで産する原生代のドレライトは"ジンバブエブラック"と呼ばれ、広く石材として用いられている。