深成岩とは、マグマがゆっくりと冷却することでできた岩石である。マグマとは溶融した岩石である。 地球内部の地殻もマントルも通常は固体であり、それらが溶融するにはいくつかの条件が必要になる。 主な条件として挙げられるのは、1)温度が上がる、2)圧力が下がる、3)水や二酸化炭素などが付け加わることで融点が下がる、等がある。 いずれの条件であっても、通常は地下約10kmより深いところでマグマは発生する。 そのような地下で発生したマグマが上昇してより浅い場所へ移動し、場合によっては地表へ噴出すると、急速に冷却して火山岩になる。 その反対に、地表へ噴出せずに地下のある程度の深さの場所に留まると(地下でマグマがとどまっているような場所をマグマ溜まりという)、 ゆっくりと冷却することで深成岩になる。
深成岩の分類は無色鉱物の量比(体積比)によって行われる。 SiO2(シリカ・珪酸)の含有量でおおまかに分類される。 中学校までの理科ではSiO2の含有量が多いほど白っぽい見た目の岩石で、逆に少ないと鉄・マグネシウムの含有量が多く黒っぽい岩石になる、 SiO2の含有量の多い方から順に、花崗岩、閃緑岩、ハンレイ岩と呼ばれる、と習う。 単純に分類するならこのような分類でも良いが、実際にはもう少し複雑で多様な火成岩が存在する。
火成岩を分類するには、主にQAPF図が用いられる。QAPFとは、それぞれ石英Quartz, アルカリ長石Alcali Feldspar(カリ長石)、斜長石Plagioclase、準長石Foidの頭文字である。 SiO2含有量が少ないものは、さらに有色鉱物の量比で分類される。