3 ジルコン結晶の形態学と内部構造

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微細なジルコンをカソードルミネッセンス(CLと略す)で観察すると、微量成分の分布によって 内部構造に違いが見られる。これはジルコンの結晶成長の過程を反映しているもので、その起源を特定する上で重要になる。

3-1 オシラトリー累帯

オシラトリー累帯は、日本語では波状累帯と訳される。これはジルコンのみならず天然の鉱物にも人工的な結晶にも広く見られる。 通常、結晶成長プロセスは過飽和環境で非平衡に起こるため、成長速度は一様ではなく小さなゆらぎを持つ。 この結晶成長のゆらぎ、すなわち速くなったり遅くなったり、が雪だるま式に記録されているのがオシラトリー累帯である。

花崗岩質マグマからジルコンが晶出する場合は、マグマ中のジルコニウム濃度によって結晶成長が支配されている。 マグマ中のジルコニウムはジルコン以外の鉱物には全くと言ってよいほど取り込まれないのに対して、シリカやアルミニウムなど主成分元素は長石など鉱物の晶出によってマグマから除去されていく。 するとマグマ中でのジルコニウム濃度が徐々に上昇し、あるところで過飽和となってジルコンが少し晶出する。 ジルコンの晶出によってマグマからジルコニウムが除去されると、再び長石などの晶出とシリカやアルミニウムの除去によるジルコニウム濃度の相対的な上昇を待ち、そしてまたジルコンが少し晶出する。 このような断続的な結晶の成長と中断というプロセスを繰り返すことで、ジルコンの累帯構造が形成される。

3-2 セクターゾーニング

準備中

3-3 インヘリテッドコア/メタモーフィックリム

準備中

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