轟石の色は黒色、黒褐色、暗褐色などを呈する。被膜状、粉状、繊維状、樹枝状などの集合体で産する事がほとんどで、肉眼的な結晶は見られない。 轟石のモース硬度は4~5、比重は3.67と比較的硬度も比重も大きい値をもつが、実際に天然に産する轟石は極めて微細な結晶の集合体で空隙も多いため、見かけの比重や硬度はこれよりも小さくなることが多い。
主に比較的低温の熱水や温泉からの沈殿物として産する。この他、熱水鉱床や変成マンガン鉱床などの菱マンガン鉱などから二次的に生じた轟石も存在する。
かつて、轟石は深海底で低温で生じるマンガンノジュールやマンガンクラストなどの主要な構成鉱物と思われていたことがあったが、現在では否定されている。 マンガンノジュールやマンガンクラストの主要構成鉱物はブーゼライトおよびバーネサイトである。深海での轟石は熱水系などの近辺の比較的高温の沈殿物として産する。
トドロカイトがまとまって産出する場合、マンガンの鉱石として利用されることがある。また、他のマンガンを含む鉱物との混合物としてマンガン鉱石を成して採掘の対象となりうる。