自然水銀(しぜんすいぎん、native mercury、ネイティブマーキュリー)は天然に産する水銀単体のことで常温常圧で液体であるが例外的に鉱物として扱われる。
化学組成は Hg。自然水銀は岩石中に銀色の液滴として含まれて産する。自然水銀は空気中では徐々に蒸発して無くなってしまう。
元素としての水銀は、
辰砂のように
硫化鉱物として熱水鉱床に産するのが一般的であるが、
水銀はイオン化傾向が水素よりも低いため辰砂を含む岩石が地表で風化を被ることによって単体の自然水銀が生ずる。
また、熱水鉱床において初生的に自然水銀が形成されることもある.
自然水銀は、
辰砂と並んで水銀の主要な鉱石である。日本国内の水銀鉱山としてには奈良県大和水銀鉱山や北海道イトムカ鉱山などが有名であるが現在は採掘されていない。