桃井柘榴石 momoiite

桃井柘榴石(ももいざくろいし, momoiite, モモイアイト)はMn2+3V3+2(SiO4)3という組成を持ち立方晶系の鉱物。 珪酸塩鉱物に分類され、ざくろ石グループ(garnet group、ガーネットグループ)に属する1種。
momoiite マンガン鉱石の切断面に見られる緑色微小粒子の桃井柘榴石 (愛媛県鞍瀬鉱山)。
テフロ石などからなるマンガン鉱石の切断面に見られる緑色微小粒子の桃井柘榴石 (愛媛県鞍瀬鉱山)。
画像幅約1.5cm

桃井柘榴石の特徴

桃井柘榴石は、2010年に発表された日本産新鉱物である。
Tanaka, H., Endo, S., Minakawa, T., Enami, M., Nishio-Hamane, D., Miura, H., & Hagiwara, A. (2010). Momoiite,(Mn2+, Ca) 3 (V3+, Al) 2Si3O12, a new manganese vanadium garnet from Japan. Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 1003100129-1003100129. https://doi.org/10.2465/jmps.091015a

桃井柘榴石のタイプロカリティは愛媛県鞍瀬鉱山(くらせこうざん)で、同時に福井県藤井鉱山と京都府法華寺野でも発見された。桃井柘榴石の化学組成は灰バナジン柘榴石(Goldmanite、ゴールドマナイト)のカルシウムをマンガンで置換したものに相当する。

桃井柘榴石の肉眼的な結晶は見られないが、鮮やかな緑色が特徴的である。ただし、ゴールドマナイトも同様の色を示すため、桃井柘榴石との区別には機器分析が必要となる。

桃井柘榴石の産出

桃井柘榴石は変成マンガン鉱床に産する。

桃井柘榴石の産業的利用

桃井柘榴石自体には産業的な利用価値はない。

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関連項目

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