2017 カナダ スーペリオール地塊での太古代の岩石サンプリング

Sampling of the Archean rock in the Superior Craton, Canada

概要

モンゴルでの過酷な地質調査から帰国して3日で、カナダの調査へ飛ぶというとんでもない夏でした。
でも今回のカナダ調査は僕の研究のための太古代砂岩がメインターゲットです。(太古代なので砂岩とはいいつつ、クォーツァイト準片麻岩などの砂質変成岩ですけどね)
再び北緯50度の世界、今度は西経です。
場所はだいたいこのへん↓

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フィールドノート

で、入口にこんな看板のある釣り宿。このあたりには氷河地形で大量の湖があり、そこそこの大きさのところにはそれぞれに釣り宿があります。
少しスケールの小さい湖では個人の別荘があるケースが多いです。
今回、私行った場所にはこんな看板が。「世界の果てまで3マイル」。

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けっこう立派な船着き場とモーターボート。

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モーターボートで湖岸の露頭に乗り付けては石を取る。

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石を取っては取る…

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だいたい北極圏近くの大陸に行くと石は氷河で丸まってて表面はコケまみれなので、割ってみないと何岩なのかよくわからない。 日本よりもフィールド地質がラクかと言われるとそんなこともない。

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とそこへ、曇ってきたと思ったら…?

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部分日食!! ちょうどこの時、2017年8月はアメリカ本土で皆既日食が見られるということで大騒ぎになっていた年です。 カナダでも部分日食はバッチリと見ることができました。

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でまぁ、気を取り直して石を取る。

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よくわからない巨礫岩の層が入っている。先行研究にも書いてなかったし、何なんだろうかコレ。

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宿に帰ってくると、シベリアンハスキーがお出迎え。よく吠えるけど、すぐに懐いてくれる。

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翌日は自動車で行ける場所で石を取って回る。日本と違って地震や台風がないので、幹線道路沿いの切り通しであっても殆どの場合はコンクリートで覆われていないのは大陸の良いところ。

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「太古代花崗岩緑色岩体 Archean granite-greenstone terrane」とだけあって、道路脇の露頭は大抵は花崗岩か緑色岩だけど、たまに優白色斑糲岩とかがどーんとあったりもする。

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林道みたいなところにも攻め込む。

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太古代なのに石英ばかりの砂岩。コレは不思議ですねえ…ねえ?

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道路沿いをゆくと、大規模に花崗岩が出ているところがたくさんある。大陸地殻が花崗岩でできていることを実感させられる。 下の写真は方形節理の面がツルンと向けて道路脇の切り通しになっているところ。

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名もない小さな(!)湖のほとりでランチを食べたり。湖の水は流木や腐食しきらない泥炭からタンニンなどの成分の供給を受けているせいかとても茶色くお茶みたいな色をしている。 それから蚊やハエやアブがたくさんいるので、あんまり長閑な感じにはいられない。。。

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とりあえず、モンゴルでの地質調査のように死にそうになること無く目的の石は一通り採集できたので良かったです。 来年はもりもりと論文書かないとなぁ。

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