苦灰石の色は純粋なものは無色透明であるが、微量成分や結晶度、粒度などの影響で白色、灰色、黒色、褐色、黄色、淡赤色などの色を持つことがある。 苦灰石には独特のガラス光沢があり、方解石やアラレ石などのよく共存する炭酸塩鉱物とは異なる。硬度は3.5-4。 へき開完全。
苦灰石中のMgは連続的にFeおよびMnによって置換され、CaFe[CO3]をアンケル石(ankerite, あるいは鉄苦灰石)、CaMnO3]クトナホラ石といい、これらをまとめて苦灰石グループと称される。
苦灰石の最も一般的な産状は、苦灰岩(dolostone, ドロストーン)の主要構成鉱物として産するものである。 堆積岩としての苦灰岩が広域変成作用や接触変成作用を受けて形成される再結品苦灰岩においても、同様に主要構成鉱物として含まれる。 堆積岩、変成岩いずれであっても、空隙の中にはしばしば自形の良い苦灰石の結晶が成長している。
様々な種類の熱水鉱脈鉱床の脈石鉱物として苦灰石が産することも多い。この場合、石英(水晶)、黄鉄鉱、緑泥石などの脈石鉱物を伴うことが多い。
超苦鉄質岩の二次的な変質によって苦灰石が脈状、被膜状などの形で生じる事がある。
苦灰石はカーボナタイトやキンバーライトにも含まれることがある。カーボナイトの場合、その主要構成鉱物となる例と少量のみ含まれる例とがある。