ブルーサイト(ブルース石)の色は、純粋なものでは白色であるが、不純物によって灰色、淡青色、淡緑色、黄色、褐色などを呈する。主な不純物はマグネシウムイオンを置換する2価の鉄イオンである。
ブルーサイトの硬度は2.5~3、比重は2.39~2.40である。
ブルーサイトは、ヨウ化カドミウム型結晶構造という層状の結晶構造をもつ。自形結晶は六角板状であり、板状、鱗片状、繊維状、またはそれらの集合による球状で産する。繊維状のブルーサイトはネマライト(Nemalite)と呼ばれることがある。へき開は1方向に完全である。
なお、水滑石という和名があるが、珪酸塩鉱物である滑石(talc)と水滑石には直接的な関係はない。見た目がやや似ていることやブルーサイト(水滑石)も滑石も蛇紋岩によく見られるなどの共通点があるが、紛らわしいためか最近ではブルーサイトのことを水滑石と呼ぶことは少ない。
ブルーサイトは、主としてかんらん岩などの超苦鉄質岩の変質によって生じ、蛇紋岩の主要な構成鉱物である。この他、苦灰岩などのマグネシウムに富んだ岩石の変質によって生じることもある。
蛇紋岩中の割れ目に成長した白色のブルース石。Loc. 福岡県古屋敷。画像幅約8cm。
ブルーサイトは、土壌へのマグネシウム分の補給を目的とした肥料として利用されることがある。ただし、必ずしも天然の鉱物としてのブルーサイトを採掘したものではなく、人工的に合成した水酸化マグネシウムである場合もある。