ブルース石 brucite

ブルース石(brucite, ブルーサイト, 水滑石, すいかっせき)はMg(OH)2(水酸化マグネシウム)という組成を持ち三方晶系の水酸化鉱物(酸化鉱物)の1種。マグネシウム、水素、酸素からなる。
ブルース石の六角板状の結晶 (パキスタン) brucite euhedral crystal yellow color Pakistan
ブルース石の六角板状の結晶 (パキスタン)

ブルース石の特徴

ブルーサイト(ブルース石)の色は、純粋なものでは白色であるが、不純物によって灰色、淡青色、淡緑色、黄色、褐色などを呈する。主な不純物はマグネシウムイオンを置換する2価の鉄イオンである。

ブルーサイトの硬度は2.5~3、比重は2.39~2.40である。

ブルーサイトは、ヨウ化カドミウム型結晶構造という層状の結晶構造をもつ。自形結晶は六角板状であり、板状、鱗片状、繊維状、またはそれらの集合による球状で産する。繊維状のブルーサイトはネマライト(Nemalite)と呼ばれることがある。へき開は1方向に完全である。

なお、水滑石という和名があるが、珪酸塩鉱物である滑石(talc)と水滑石には直接的な関係はない。見た目がやや似ていることやブルーサイト(水滑石)も滑石も蛇紋岩によく見られるなどの共通点があるが、紛らわしいためか最近ではブルーサイトのことを水滑石と呼ぶことは少ない。

ブルース石の産出

ブルーサイトは、主としてかんらん岩などの超苦鉄質岩の変質によって生じ、蛇紋岩の主要な構成鉱物である。この他、苦灰岩などのマグネシウムに富んだ岩石の変質によって生じることもある。

蛇紋岩中の割れ目に成長した白色のブルース石。Loc. 福岡県古屋敷。画像幅約8cm。 brucite in serpentinite from Fukuoka, Japan
蛇紋岩中の割れ目に成長した白色のブルース石。Loc. 福岡県古屋敷。画像幅約8cm。

ブルース石の産業的利用

ブルーサイトは、土壌へのマグネシウム分の補給を目的とした肥料として利用されることがある。ただし、必ずしも天然の鉱物としてのブルーサイトを採掘したものではなく、人工的に合成した水酸化マグネシウムである場合もある。

関連項目

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