オルソクォーツァイト orthoquartzite

オルソクォーツァイト(orthoquartzite)砂岩の一種で、粒が粗く、90%以上が球形に近い形に円磨された石英からなる岩石のことである。 和名では正珪岩(せいけいがん)と呼ばれることもある。
しばしば、オルソクォーツァイトとクォーツァイトquartzite(珪岩、けいがん)が区別されずに呼ばれることもあるが、クォーツァイトquartziteは変成したチャートや円磨されていない石英質な砂岩とその変成岩なども含んでおり、「ほとんどが石英からなる岩石」の総称である。
オルソクォーツァイトorthoquartzite 正珪岩(せいけいがん) Jatulian, Finland
オルソクォーツァイト(Jatulian, Finland)

オルソクォーツァイトは砂岩の分類の中においては、粗粒な砕屑物を主体とした砂岩であるアレナイトの中でも「石英アレナイト」または「石英質アレナイト」に相当する。

オルソクォーツァイトを構成している石英粒子はほぼ完全な球形に近い。石英が90%以上を占め、その他はわずかな長石や粘土鉱物、さらに重鉱物としてジルコン、ルチル、磁鉄鉱、電気石、燐灰石などを伴うだけである。 広大な面積の大陸で長時間かけて石英以外の鉱物が淘汰され、さらに石英粒子もよく円磨されているために形成される。 砂漠・砂丘堆積物として特徴的であるほか、大河川の河口領域でも形成される。 日本列島のようなプレート沈み込み帯では、各々の河川の長さが比較的短く流域面積が小さいため、オルソクォーツァイトは形成されない。

オルソクォーツァイトは、日本列島のようなプレート沈み込み帯ではほとんど産出しないが、アメリカ、オーストラリア、アフリカなどの大陸では広く分布する。
特に約6億年前以降は、大陸露出面積が広がったこともあり、広大なオルソクォーツァイトの地層が各地に見られる。 大規模なオルソクォーツァイトの地層が出現するのは約23億年前からであり、この時代までに大陸がある程度の大きさまで成長したことを物語っている。

オルソクォーツァイトの地層(Snowy Pass Supergroup、Wyoming) オルソクォーツァイトの地層(Snowy Pass Supergroup、Wyoming) 露頭のアップ
オルソクォーツァイトの地層(Snowy Pass Supergroup、Wyoming)

関連項目

planetscope岩石鉱物詳解図鑑

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