泥岩 mudstone

泥岩(でいがん, mudsotone)とは、泥という粒径が1/16mm(0.0625mm)以下の砕屑物を主な構成物として固結した堆積岩のことを指す。 砕屑物が固まってできる岩石の中では最も粒の細かい岩石である。 砂岩と並び、最も一般的な堆積岩の1つである。
泥岩 mudstone
泥岩

泥岩の概要

泥岩は粒径が1/16mm以下の砕屑物が固結してできた堆積岩を指し、砕屑岩の中では最も細粒の岩石である。

泥岩は一般的に、流水の働きや風化によって岩石が浸食・運搬され生じた陸源の砕屑物から形成される。 泥のような細かい砕屑物の形成には化学的な変化が支配的な影響を与えており、物理的粉砕は二次的な役割しか果たさない点がレキや砂の形成と異なる。 礫岩砂岩のような粒径の大きな砕屑岩では、大陸地殻を構成する花崗岩類に由来する石英長石が主な構成鉱物であるのに対して、 細かい砕屑物からなる泥岩では、主に粘土鉱物からなる。 これは、石英よりも長石のほうが物理的、化学的に不安定であることから優先的に破砕、また粘土鉱物へ化学変化していくことに起因する。 従って、砕屑物の供給源である花崗岩類やあるいは砂岩などの他の砕屑岩類と比べると、泥岩の全岩組成はアルミニウムやカリウムなど粘土鉱物に含まれる元素に富んでいることが普通である。

平均的な泥岩は40~60%の粘土鉱物、20~30%の石英、5~10%の長石を主成分とし、副成分として磁鉄鉱などの鉄の酸化鉱物炭酸塩鉱物、有機物、その他の鉱物などからなる(Yaalon, 1962; Shaw and Weaver, 1965)。 花崗岩質な岩石から泥が形成するとカオリナイトやイライトに富んだ泥岩となり、玄武岩質なものである場合はスメクタイトに富む泥岩となる(Cox and Lowe, 1995)。

泥岩の分類

砕屑物の粒径によってさらに細かく分類され、1/16mm(62.5μm)~1/256mm(4μm)のものをシルト岩、それ以下のものを粘土岩と呼ぶこともある。
泥岩のうち、特に層状構造を持つものを頁岩(けつがん、shale、スレート)と呼ぶ。

泥岩の風化・変成

変成作用により、さらに剥離性が発達した粘板岩(スレート)、千枚岩泥質片岩、あるいは泥質片麻岩という変成岩になる。

関連項目

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