planetscope岩石鉱物詳解図鑑

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緑色片岩 green schist

緑色片岩(りょくしょくへんがん、green schist、グリーンシスト)とは、 玄武岩やそれに類する組成の岩石を源岩に低変成度で形成された結晶片岩。 緑閃石、緑泥石、緑簾石などの緑色の鉱物を含むことからこの名前が付いている。

緑色片岩 (埼玉県金崎町)

緑色片岩の概要

緑色片岩の典型的な構成鉱物は、緑閃石、緑泥石、白雲母、緑レン石、曹長石、石英、方解石である。 低変成度の場合にはパンペリ−石を含むことがある。 
変成時に応力が強くかかることで、構成鉱物のなかでも緑閃石、緑泥石、白雲母、緑レン石などのイノ珪酸塩鉱物、フィロ珪酸塩鉱物がシート状に配列することで片理構造が発達する。
緑色片岩よりも変成度の低い岩石は、片理構造が弱いものが多く、緑色岩と呼ばれることが多い。 反対に、緑色片岩よりも変成度が高いものとして、青色片岩(藍閃石片岩)、角閃岩などが挙げられる。
緑色片岩の厳密な定義は、緑色片岩相というある一定の温度・圧力の範囲で形成された苦鉄質変成岩(玄武岩質変成岩)のことである。 一方で、緑色の見た目を呈する結晶片岩が必ずしも緑色片岩相に含まれるとは限らないため、フィ−ルドネーム(フィールド名)として扱われることも普通である。 逆に、緑色片岩相に該当する変成作用を被っても、変成時の応力が弱いと、見かけは結晶片岩ではなく、塊状の緑色岩になる場合が多い。 この場合は、フィールドネームとしては緑色岩とされても、変成岩岩石学的な分類では緑色片岩となる。
構成鉱物で命名する場合は、緑色片岩に含まれるものとして緑泥片岩(緑泥石片岩)、緑閃石片岩、緑簾石片岩などが挙げられる。

成因と産出地

緑色片岩相に該当する変成度の岩石は地殻の中で広く分布する。
低温高圧型広域変成帯では、広い範囲に緑色片岩が見られる。 日本では三波川変成帯が典型的で、埼玉県、長野県、和歌山県、香川県、高知県、愛媛県、大分県、熊本県にかけて広がる。 低温高圧型広域変成帯では、強い応力が働くので片理構造がよく発達する。
緑色片岩相は、高温低圧型広域変成帯や接触変成帯の低変成度部分でも形成される。前者の典型例は領家帯が挙げられる。後者の典型例は神奈川県丹沢地域が挙げられる。 高温低圧型広域変成帯や接触変成帯では、応力が比較的弱いため、片理構造が明瞭でない場合もしばしばある。
また、中央海嶺における熱水循環による海洋底変成作用によって緑色片岩相の変成岩が形成される。 この場合は応力はかなり弱いので片理構造の発達が弱く、岩石組織としては結晶片岩には該当しない緑色岩のような見た目である場合が多い。

石材としての産業的利用

緑色片岩は、国内外問わず石材や庭石として広く利用される。
日本では特に三波川石として庭石として用いられており、緑色片岩は日本庭園の欠かせない構成要素の1つである。 

関連項目

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