東京都奥多摩町簾川鉱山

訪問日 2010.5.30

5月の末、奥多摩の簾川鉱山へ行きました。 今回の採集は地学に(ここまで)興味があるのは私1人で、他の方々は生物系の学科のため、みんなで山の自然を楽しみに行った感じでした。

実際、ロクな鉱物が採れず、しかも天気は曇りで霧の中のハイキングとなり、生物もオタマジャクシくらいしか見ることができませんでしたが、沢の流れるさわやかな音や途中の日原鍾乳洞の見学など、とりあえずは楽しめました。

簾川鉱山は『鉱物採集フィールドガイド』 (草下英明、草思社)に詳しい情報が書いてあります。 奥多摩駅からバスで日原方面に向かい、日原鍾乳洞を過ぎて小川谷の右側林道を歩くこと1時間弱、滝上谷という支流の沢があるのでそこを100mほど登ったところにあった鉱山です。

変成度の低いマンガン鉱床で上質なハウスマン鉱や珍しい硼酸塩鉱物のウィゼル石などが産したことで有名な産地です。

奥多摩の山

↑あいにくの曇りだった。。。 東日原バス停から少し歩いたあたり

奥多摩の沢

↑沢の様子 雨の後のため水かさが多めだった。。。

ところが、今回行ってみたところ、マンガン鉱石はほとんどまったく見当たらず、沢にはチャートや粘板岩の転石ばかりでした。

1つだけ、緑色のチャートの中にバラ輝石RhodoniteとカリオピライトCaryopiliteなどが付いている石があったので持ち帰りました(下の写真)

マンガン鉱物を伴う緑色のチャート

↑緑色のチャート 酸化鉄(Ⅱ)によって灰色がかった緑色を帯びている
  左下の茶色っぽくなっているあたりにマンガン鉱物が含まれている

結局は、採集に参加してくれた皆さんは、鉱物も生物もろくなものが見れませんでしたが、それぞれ自然を楽しんでいたようなので今回はこれで良しとしておきましょう。

簾川鉱山 ↑沢ではしゃぐ友人

簾川鉱山 ↑沢の真ん中で昼寝する友人(笑)

この後、帰りに日原鍾乳洞を見学してから帰りました。
日原鍾乳洞は、正直、鍾乳石があまりなく、鍾乳洞というより洞穴といった感じなのですが、観光地としての歴史も長く、長期間にわたってライトで照らされているため、洞内のあちらこちらのライトの周りにコケや草がコロニーを作っていました。
灰色の石灰岩の無機質な地下空間に、緑色のコケのコロニーが島のように浮いている様は現代アートのように美しいです。

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