planetscope_島根県の地質岩石鉱物観察採集_島根ジオサイトジオパーク

島根県出雲市日御碕〜日本海岸沿い〜松江市大根島

訪問日 2012年8月10日

 日御碕は島根県出雲市の出雲大社から少し北へ行った碕で、日本最大の石造りの灯台や日御碕神社などがある他、流紋岩による柱状節理が発達していることによる奇岩景勝地として有名である。
島根県出雲市日御碕〜日本海岸沿い〜松江市大根島の地質見学ジオサイトジオパーク

(1) A地点 
 日御碕の駐車場の周りには、旅館やおみやげ屋、お食事処などが軒を並べる良い感じにレトロな観光地になっている。ここに来たら、生ウニ入りの海鮮丼や焼きイカ、サザエの壺焼きなどは外すことが出来ないだろう。また、おみやげ屋には貝殻や特産品などの「定番もの」の他に、対馬海流の暖流に乗ってやって来る死滅回遊魚のハリセンボンの飾り物が沢山売られていた。
 駐車場からすぐに灯台に出る。入場料を支払うとなかに入ることができる。
島根県出雲市日御碕地質見学ジオサイトジオパーク   島根県出雲市日御碕_灯台_地質見学ジオサイトジオパーク

(2) B地点
 灯台の目の前の海岸に出ると、大きく広がる日本海と、柱状節理の発達した流紋岩による雄大な景色が広がる。
島根県出雲市日御碕_流紋岩の柱状節理_地質見学ジオサイトジオパーク 島根県出雲市日御碕_流紋岩の柱状節理_地質見学ジオサイトジオパーク
海の透明度も高く、非常に美しい海であった。
足元に目を移すと、径〜5cm程度の柱状節理で埋め尽くされている。柱状節理はおよそ五角形〜六角形の形をしているが、乱れているものも多く、また、柱面が曲面担っているものも多く見られた。
島根県出雲市日御碕_流紋岩の柱状節理_地質見学ジオサイトジオパーク 島根県出雲市日御碕_流紋岩の柱状節理_地質見学ジオサイトジオパーク
 やや古い一部の資料を見ると、岩石は流紋岩でも特に「石英ケラトファイアーKeratophyre 、石英角斑岩」などと呼ばれていたりする。深成岩のアダメロ岩に対応する組成を持ち、石英の斑晶のほかは、ほとんどが長石からなる火山岩のことを言うようであるが、最近の文献ではあまりこのような用語を使っているような様子は見当たらない。最近の岩石学では、ここまで詳細な分類はしないのでしょうかね…?

(3)C地点
 この辺りからは経島が見える。経島は先程と同様に柱状節理の発達した流紋岩によってできているが、その名前の由来は柱状節理がお経をまいた巻物を積み上げた様子に似ていることによると言われている。
 この島はウミネコの繁殖地にもなっており、島の岩石の一部が白色になっているのはウミネコの糞によるものだと思われる。もう少し量があれば、リン鉱石に使えるようなものであろうか。右のアップの写真を見るとわかるように、経島と「お経」を名の由来荷物にもかかわらず、島の上には鳥居と祠のようなものがある…
島根県出雲市日御碕_流紋岩の柱状節理_地質見学ジオサイトジオパー 島根県出雲市日御碕_流紋岩の柱状節理_地質見学ジオサイトジオパーク

(4)D地点
 この付近では堆積岩層の露頭が見られた。これは新第3紀中新世前〜中期、22〜15Maに形成された堆積層の成相寺層の砂岩や頁岩の層である。左の露頭は黄茶色の砂岩で、右側は黒灰色の頁岩を主体とする砂泥互層(タービダイト、海底土石流による深海堆積物の地層)であった。頁岩層からは木の葉の化石が見つかることもあるらしい。
島根県出雲市日御碕_成相寺層の堆積岩_地質見学ジオサイトジオパー 島根県出雲市日御碕_成相寺層の堆積岩_地質見学ジオサイトジオパーク

 上の写真右側に鳥居が少し写っていますが、ここから日御碕神社に入ることができます。それほど大きい神社ではありませんが、由緒ある神社で、なによりも青空に映える朱色と緑色がとても美しかった。
島根県出雲市日御碕_日御碕神社_地質見学ジオサイトジオパーク

 さらに、日御碕から日本海岸沿いをおおおそ県道23号線により西へとクルマで進んでみました。
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(5) 大社町鷺浦
 極めて良い感じの港町だったので、ついクルマを停めて眺めたくなってしまったw 
島根県出雲市日御碕_流紋岩の柱状節理_地質見学ジオサイトジオパーク
 この辺りはリアス海岸のような地形により、小さな湾を囲む漁港街や海水浴場がいくつも続いている。こういう場所の民宿で1週間くらいゆっくりする、とかいうオトナのバカンスもやってみたいみたいものであるw 実際、民宿はいくつかありました。釣りや海水浴の方が来ているみたいです。

(6) 島根原発
 別に記事を立てましたので、こちらの島根原発見学を御覧ください。

(7) 須々海海岸の洗濯岩
 須々海海岸では、タービダイト(砂泥互層)が磯場で侵食され、砂岩層よりも軟かい泥岩層が選択的に侵食されて凹んでできたもので、洗濯板のようであることから「洗濯岩」と呼ばれている。同じようなジオサイトでは、宮崎県の「鬼の洗濯岩」が有名であるが、この須々海海岸は規模は小さいものの湾の中の非常に景色の美しい場所にあり、名勝として引けをとらないだろう。
 この洗濯岩は、約14Maのタービダイトである。海側の奥には、15〜7Maの柱状節理の発達した流紋岩が見られる。日御碕の流紋岩と見た目はそっくりだが、少し年代が若いらしい。
島根県日本海岸沿いの地質見学ジオサイトジオパーク_須々海海岸洗濯岩 島根県日本海岸沿いの地質見学ジオサイトジオパーク_須々海海岸洗濯岩
 今回は下までは行かず、県道の上から観察したのみであったが(暑かったので…)、県道から踏み分け道のようなものが海岸まで伸びているようだったので、降りることは可能なようである。ここの堆積層で級化層理や断層なども観察できるらしいので、堆積岩の構造地質学などに興味がある方は潮がなるべく引いているときに下まで行って見ることをオススメします。そうでない方も、通った時には少し足を止めて景色を眺めるだけの価値のある風光明媚な海岸でした。

(8) 美保関町北浦古浦ケ鼻(の手前…)
 バビントン石の美しい結晶が産したことにより有名な鉱物産地ですが、近寄るルートがわからず、断念…海岸の露頭を少し見学だけしてきました(左写真)。
島根県地質見学ジオサイトジオパーク_松江市美保関町バビントン石_ぶどう石パンペリー相 島根県地質見学ジオサイトジオパーク_松江市美保関町バビントン石_ぶどう石パンペリー相
 この場所でも、右の写真のような変質した安山岩質ハイアロクラスタイトの中に、濁沸石が見られたことから、やや高温のぶどう石-パンペリー石相程度の初生熱水変質があったことが想像され、たしかに、バビントン石が産するような地質環境が確認されたので満足としておきます。

(9) 大根島
 中海に浮かぶ平たい島である大根島は、約20万年前の中期更新世におけるアルカリ玄武岩質溶岩の活動によりできた火山島です。島へは立派な橋がかかっており、クルマで容易にアクセスできる。というか、普通に市街の一部と化しているといっても良いくらいである。
 島全体がアア溶岩のような多孔質の溶岩でできている。斑晶は特に無く、ガラス質の溶岩であった。
島根県松江市大根島のアルカリ玄武岩_地質見学ジオサイトジオパーク 島根県松江市大根島のアルカリ玄武岩_地質見学ジオサイトジオパーク
↑大根島波入地区の公園。沢山の黒色の溶岩でできた岸のほか(左写真)、柱状節理が見られる露頭が残されている場所がある(右写真)。

翌日に行った浜田・益田方面の様子

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