planetscope_四国愛媛地質巡検と鉱物採集 三波川変成帯_別子鉱山別子銅山

2014 四国地質巡検と鉱物採集

ぐるっと三波川変成帯 その3
愛媛 別子銅山跡の観光施設

別子銅山(別子鉱山)は、愛媛県新居浜市の山麓部にあった三波川変成帯に胚胎されたキースラーガー鉱床の銅鉱山です。 1690年(元禄3年)に発見され、翌年から1973年までに約280年間に70万トンを産出し、日本の貿易や近代化に大きく寄与した。 一貫して住友家が経営し(閉山時は住友金属鉱山)、別子銅山を基盤として関連事業を興すことで発展し、住友財閥が日本を代表する巨大財閥となる礎となった鉱山です。

観光施設は、国領川沿いに別子銅山記念館とマイントピア別子の2つがあり、それぞれの間の距離はとても近く、アクセスも道1本なので、 訪れる際は両方を廻られることをおすすめします。

別子銅山跡観光マインパーク別子
まずは、別子銅山記念館。神社の脇に併設された展示室です。
  

別子銅山跡観光マインパーク別子  別子銅山跡観光マインパーク別子
入口の石段には、主に三波川変成帯の緑色片岩が用いられていますが、中には角閃岩やエクロジャイトのようなものも含まれていて、柘榴石の結晶が発達しているものもありますw
  

別子銅山跡観光マインパーク別子  別子銅山跡観光マインパーク別子
別子銅山記念館の外観。緑色片岩を積み上げて作られた壁が特徴的。
館内は撮影厳禁なので、別子銅山記念館はここまでです。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
次に、記念館よりも銅山川沿いにさらに上流にあるマイントピア別子へ。
別子銅山記念館は、真面目な展示が殆どですが、こちらのマイントピア別子はいかにも観光施設といった場所です。
そしてさらに言うと、水樹奈々の出身地ということで、色々なところで奈々様押しですw
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
入口右側、別子銅山の鉱石が乱雑に展示(?)されていました。
風雨にさらされてサビまみれですが、全体的にとても良い層状硫化鉄銅鉱です…モッタイナイ…
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
入ってすぐ、立派な石英の塊鉱石があります。もちろん、別子銅山のものではありません。
住友金属鉱山がいまでも採掘している鹿児島県菱刈鉱山の鉱石が入ってすぐに堂々の大展示。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
別子銅山の地下断面模型。模型としては良くできてると思います。 地質解釈が香ばしくも古めかしいのは、上の別子銅山記念館でも同じでしたが、どうにかならないものか…それにしても見事に一連整合かのような地層に創ってますね(笑)
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
別子銅山やその近辺の三波川変成帯など、さらには四国の鉱物産地のものが展示してありました。
地元のマニアによる寄贈品のようです。そして、岩石鉱物種名の記載や産地表記が明らかにいい加減なものがいくらか見られました…
  

別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
鉱山観光ではお馴染み、ミニSLのトロッコ列車で休坑へ向かいます。
ここマイントピア別子では、SLで坑内そのものには入らず、かつてのトンネルと鉄橋を渡るだけになります。
ちなみに、この観光列車の車内アナウンスの声は、水樹奈々様ですw
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
SLの終点駅から出てすぐ、坑道入口の様子。小奇麗になってます。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
坑内展示の様子。またもや一昔前の香ばしい地質解説が繰り返されます…
最近では各地の地方の博物館で、ジオパーク活動の活発化によって最新の学説を取り入れた展示が増えていますが、愛媛のこの一帯も ジオパークにするだけの見どころはありますし、近々そのような刷新があるかもしれません。 一般向けの解説としては、どんどんアップデートして最新の学説を紹介したほうがいいに決まってますが、このような一昔前の展示というのも、深いマニア心をくすぐるものがありますw   

別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
別子銅山の坑内は展示されている範囲では湧き水が少なく、また金属二次鉱物なども殆ど見られません。
見られる範囲において、坑内露頭はほとんどが未変質の砂泥質結晶片岩でした。
足尾鉱山通洞坑の観光施設では、坑内廃水の量がかなり多く、そこら中が変質していますので、熱水鉱床とキースラーガー鉱床でずいぶんと違うものだと感じました。
とはいえ、天水の染み込みはあるので、天井にビニールのシートを張って、"雨漏り対策"のような形で坑内が濡れないように、見学者と展示物を守っていました。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
見学坑道から出たところの銅山川の様子。なかなか急峻な谷間です。
この河原に降りたら何か面白い岩石や鉱石鉱物も見られるのではないかと期待しましたが、アプローチが見つからなかったのと時間不足で今回はパスに。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
行きのミニSLで渡ったかつての鉄橋と、その奥の馬蹄形トンネル。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
帰りもSLに乗ることはできますが、徒歩で帰ると第四通洞坑口と、その前にかかる鉄橋の遺構を見学できるので、こちらをおすすめします。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子  別子銅山跡観光マイントピア別子
第四通洞坑や別子銅山の坑道内部の解説看板と、中の様子。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
第四通洞坑前の鉄橋。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
サビが味のある鉄橋遺構です。
  

別子銅山跡観光マイントピア別子
マイントピア別子のメインの建物から、かつての水力発電設備の赤レンガの建物が見られます。
そのとなりには現在の水力発電設備が並んでいるのも味があります。
 

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